2011年5月3日火曜日

福島原子力事故は人災である(20110503)

 そろそろ世間は、大震災・原発事故の救助・支援モードから、その原因追究モードに移りつつある。

 昨日の参議院予算員会で、民主党の森裕子議員が、福島原発事故の原因について厳しく政府を追及した。菅首相は、これまでの政府の対応が十分でなかったと陳謝した。

明らかになったのは、福島原子力発電所2号機において昨年6月、停電事故が発生し、原子炉は自動停止したが外部電源への切り替えに失敗し、非常用ディーゼル発電機が起動したが、既に炉内の水位が2メートル低下し、水位が回復するまで30分もかかったという。水位が、あと40センチ低下すれば、緊急炉心冷却装置が作動するという間一髪の状況だったという。

もし、この時の事故を教訓に、外部電源を二重に引いておけば、今回の巨大津波により非常用電源が使えない状況になったとしても、今回のような大事にはならなかったと思う。

 その時の原子力保安院の対応は、東電任せであった。事故調査も十分に行われず、未来に何か類似事故が起きたときどするかという指導も行われていなかった。

 森議員は、小学校における暫定基準値20ミリシーベルトはおかしい。5ミリシーベルト以下にすべきであると主張した。政府の対応は、「20ミリはあくまで暫定基準であり、出来る限り低く抑える」というものである。

 これに関連して同じ、民主党の空本誠喜議員は、今朝のテレ朝で、政府に抗議して内閣参与を辞任した小佐古教授を擁護する発言をした。

 大震災発生直後、原子力安全委員会の開催を各委員に伝えようとしたが、通信状態輻輳のため連絡が取れず、また交通機関も麻痺し、委員会は開かれなかったという。

 庶民感覚で見れば、原子力保安院も、原子力安全委員会も、その果たすべき役割をきちんと果たしてこなかったように見える。実際そのとおりであろう。

 政府は、国家公務員(特別職である自衛官も含む)の給与を一律に1割カットするという。その前に為すべきことはないのか?

 先ず、国会議員の数を半分にすべきである。また盲腸のような原子力保安院と原子力安全委員会を改組し、人件費を減らすべきである。少なくとも、そのことを国民の前に宣言すべきである。

 そういうことを宣言もせず、実施もせず、マニフェストの国家公務員人件費2割カットという文言に呪縛された行動をとるというのは、大変間違っている。

 世間は、大震災・原発事故の救助・支援モードから、その原因追究モードに移りつつある。政府・菅首相は、その動きを決して軽視してはならない。

 もし、菅首相が、その判断を誤れば、菅首相は名誉を遺すことなく、退陣せざるを得なくなるだろう。

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