2011年5月22日日曜日

アルツハイマー性認知症(20110522)

 女房と一緒にタクシーでH市にあるU病院に母を連れて行った。其処はK先生が紹介状を書いてくれた病院である。其処はこの家からタクシーで片道40分ぐらいかかるところにある。その病院には痴呆老人病棟もある。

 病院長U先生の診察結果、母は単なる老人性の物忘れではなくアルツハイマー性認知症であるということであった。男も女房も「ああ、やっぱりそうだったのだ」と母のここ半年近くの状況からそう納得した。まだ初期の段階であるので対応は楽である。しかしこの病気は月日の経過とともに徐々に進行する。母は非常におおらかな性格であるので、問題行動は起こさないだろう。母には幸せな晩年を送ってもらうようにしたいと思っている。

母は高血圧薬など6種類の薬をのんでいる。薬は朝、昼、晩と種類や数が違う。独り暮らしで認知症が出ているため、薬ののみ違いが起きている。今度、認知症を遅らせる薬が追加された。女房は母が薬を正しくのむように、小袋が沢山並んで配置されている壁掛け式の大きなシートを買ってきた。それは朝・昼・夜の区分と曜日が分かるようになっていて、シート1枚が1週間分である。

女房は母の脳活動を活発にさせるため、母に自分の薬をその小袋に分けて入れる作業をさせ、その様子を観察した。母はその作業を完璧にはできない。女房は別室でこのブログを書いている男のところに来て、「幼稚園児よりも悪いのよ」とため息をついて嘆いた。

それでも母はなんとか自分で自分がのむ薬の区分けができた。女房は「お母さんはこのシートをここに掛けてもらうのがいいと言っているので、ここに吊り下げるようにして」と男にその取り付けを頼んだ。男は「明日、金具を買って来て取りつけてあげよう」と答えた。この町にはやや大きいホームセンターがあって、必要なものは何でも手に入る。

母は早速その薬のシートから薬を取るのに勘違いが生じた。薬の袋に書き込む日付の関係で今日の分だけそのシートの区分けしたものは使わず、従来通りのやり方にするように予めよく説明してあったが、母は直近のことは忘れてしまっていて、曜日が今日と同じであるが日付の違うところから薬を取って既にのんでしまった。

女房はそのシートを2週間分の2枚用意してあった。薬には日付を書いてあっても母の勘違いは必ず起きるだろう。そこで1週間分の1枚だけ掛けておき、来週の分はヘルパーに頼んで出して貰うことにした。今後はヘルパーとの連絡を一層密にしなければならない。

アルツハイマー性認知症はその進行を遅らせることはできても改善することはできない。来年の今頃は母の病状はもっと悪くなっていることだろう。女房は母の脳の活動をできるだけ活発にさせて母にはこれまで通りなるべく自立した生活を続けさせようと、母と会話を多く交わしている。その様子は、女房が自分に早かれ遅かれ降りかかってくるであろう介護の苦労を、できるだけ先延ばししようともがいているかのように見える。

男は女房の負担ができるだけ少なくなるようにしようと思っている。2週間後、母をまたU病院に連れてゆかなければならない。今度は男一人で帰ってくることにした。