2011年5月20日金曜日

老人性認知症(20110520)

 母には老人性認知症の症状が若干見られる。長谷川式の検査結果で最近まで30点満点で21点あったが、今回それが17点になっている。自分の年齢を聞かれたときよく覚えていず、数歳の違いなら大して問題ではないが20歳も若い年齢だと答える。あらかじめ示した物を一旦隠して思い出させるが正しい答えができないなどなど、以前に比べれば直近のことについて覚えていない。

 男は母の掛かりつけの病院のK先生に会って今後のことについてアドバイスを頂き、今年新たに出た認知症治療薬の普及を担当する拠点病院に母を連れてゆくため紹介状を書いて頂いた。その病院は県の認知症疾患医療センターの連携・協力医療機関に指定されていて、ここからタクシーで1時間近くかかるところにある。

 男は明後日母を連れてその拠点病院に行く。今後毎月1回その病院に通い診察してもらってその新しい認知症治療薬を処方してもらう。それを3ヵ月間ほど続けて薬の効果を確かめるなどしてもらい、その拠点病院がOKすればその後はかかりつけのK先生の方で同じ薬を処方してもらえるようになる。そうなれば今までと同じように母が一人でいつものように散歩がてら押し車を押して、いつもの病院に通うことができるようになる。

 K先生は男に『認知症のお年寄りへの対応』(順天堂大学医学部精神医学講座教授・新井平伊先生著)と『認知症の高齢者への具体的な接し方』(筑波大教授・高橋正雄先生監修)の二つの小冊子を渡してくれた。母の状態は、今はまだ物忘れがひどいという程度で見た目大変元気であり健常者とほとんど変わらない。しかしそのうち妄想が起きたり、独りで散歩に出たのはよいが帰り道がわからなくなったり、失禁したりするようになるだろう。そのようなとき叱ったり追及したりせず、母と感情を共有して母の味方になってやるなど、認知症患者と接するテクニックがその本には書かれている。

 今年夏93歳になる母には長年住み慣れた町で心から安心して独り暮らして行けるように、介護する側では今後一層工夫が必要である。K先生はGPS機能付きの携帯電話を母に持たせることを勧めてくれた。実は母がK先生の病院に入院中淋しくないように母に携帯電話を持たせたことがあった。その時は90歳近くになる高齢の母にとって初めてのことなので携帯電話を上手く使えずその病院の看護師に迷惑をかけていた。母が退院したあとその携帯電話は一時休止にしていた。その携帯電話はGPS機能が付いていない。

 男は母の弟妹にあたる親戚の叔父・叔母に母の状況を詳しく説明し、母にGPS機能付きの携帯電話を持たせること、そして来月から34か月男が女房と一緒に毎月一回定期的に帰省し母を病院に連れてゆくことになったことを話した。その叔父・叔母たちは、男の話を聞いて自分たちの姉である独り暮らしの母が大事にされていることに深く感謝してくれていて、男や女房にいろいろ気遣いをしてくれている。

遠方から毎月帰ってくるのは費用もかかる。しかしいろいろな方法で出来るだけ費用がかからないように工夫しながら毎月帰ってくるのは、男にとって楽しみの一つである。