2011年5月24日火曜日

60年前の中学同級生(20110524)

 男は田舎に帰って来るたびに昭和28年卒業の中学同級生たちに会っている。担任の先生は若くして他界したが音楽大学を出たばかりの美人でスタイルの良い先生であった。その先生との思い出を共有しているせいもあり、その中学校に進んだ小学校時代の同級生たちの絆が深いせいもあって、37組の同級生たちは男子女子無関係にとても仲が良い。皆今年は74歳になる。男のように5月生まれの者はすでに74歳になっている。

 そういう同級生たちの中で久大線沿線の大分に近い駅の近くに住んでいるT君(愛称Tちゃん)の家には小学校・中学校を通じて同級生であったI君がよく訪れている。男が帰ってきたというので、Tちゃんの家に同級生たち4人が集まってきた。大腸がんを患って手術後抗がん剤治療を受けているA君は、現在の状態では養生が大切なので男に会うことはできない。その代り自分が経営している養鶏農場でとれた自然卵を男のためにI君にことづけてくれた。ちなみにA君の奥さんも同級生である。彼女は男の幼馴染である。彼女の実家の先祖は男の家と同じであり、家同士同じ村の中で良く行き来していた。

 I君は愛妻に先立たれた。同級生の中には他界した者もいる。最近70代後半で他界した有名人が何人かいる。70代になると同級生たちもあと何年生きているだろうかということが話題になる。ちなみに男とI君とA君の父親同士は親子そろって同じ小学校を出た仲の良い同級生同士であった。このことが37組の同級生同士の絆を一層深くしている理由の一つである。このような例は全国的に見てもそう多くはないだろうと思う。

 同級生たちは自家用車で別府のKホテルまでバイキングのランチを食べに行った。都会に住んでいる男にとっては驚きであったが、其処のバイキングのランチは一人800円弱の安さにもかかわらず、メニューも内容もそれなりに豊富である。利用客の中には韓国人らしい人達も来ていた。駐車場の利用は無料である。同級生の一人が此処のバイキングランチのことを知っていて、皆を其処に連れて行ったのである。

 74にもなった爺さんたちがKホテルのバイキングランチを食べに行き、其処でたった800円弱を払って3時間も長居してだべっている。従業員たちはそのような爺さんたちに決して白い目を向けることなく、暖かく接してくれている。話題の中に福島原発のことがあった。皆はあれは菅総理の無能が原因の人災であると憤慨していた。

爺さんたちのすぐ隣で二十歳代の若者が一人で食事をしている。見ていると何度も何度も席を立っていろいろなものを取って来ては食べている。驚くほど大量に食べている。ちらっと横目でみるとお腹が相当膨らんでいる。爺さんたちはさすが小食である。

Tちゃんはよく別府航路を利用している。サンフラワー号に乗ったことがあったらしく、その船の姿を男に見せたくてランチからの帰りに別府港に立ち寄った。あいにくその船は入っていなかったが別の大型船が停泊していた。Tちゃんによると、1000円払って会員登録をしておけば12名の1等運賃が4000円引きとなるらしい。男は是非一度女房と一緒に大阪からその汽船に乗って帰って来たいと思った。