2011年5月21日土曜日

老人施設入所手続き(20110521)

 人口18000人、高齢化が最も進んでいる町村の一つであるK町には、3か所の特別養護老人ホーム、2か所の介護老人保険施設、5か所の高齢者共同生活事業所、1か所のデイサ―ビス事業所がある。高齢者共同生活事業所のうちNPO法人による事業所は2か所ある。

 男はもう78年前、母が一部の施設に入所できるように手続きを済ませている。しかし入所待ちの人が多いので、要介護度が3以上になってもなかなか入れない人がいるようである。まして母の要介護度は今度2に上がるかもしれないがまだ1の段階である。急に入りたくなってもそう簡単には入れない。

 母は自分がデイサービスを受けているある施設を大変気に入っている。其処は介護予防のためのプログラムが大変しっかりしている。運動器具もそろっている。母はそこに通うようになって足腰が非常に丈夫になった。この地域は地中をちょっと掘ればどこでも天然温泉が湧き出るので入浴は温泉を楽しめる。食事の内容も大変よい。

母が以前そこにショートステイしたとき個室だった。その個室は清潔で雰囲気もよい。コンパクトで機能的に出来ている。母は口癖のように「まるでホテルに泊まっているみたい。」と喜んでいた。見舞いにみてくれた母の弟妹たちも「ここは良い」と感心していた。

男は以前訪問介護サービスを提供するNPO法人の理事長を7年間勤めていた。そのとき自分もヘルパーの資格を得ておこうと講習を受け、2級の資格のほか精神障害者や視覚障害者のヘルパーの資格も得ていた。その講習のとき実習で幾つかの施設で研修を受けた。そのとき体験した老人施設よりもこの度手続きした施設は格段上等である。

そこで男は今日、母が気に行っているその施設に母が入所できるように手続きをした。合計3か所入所希望を出してあので、何か状況が変わり母が急に施設に入りたくなったときはそのうちの何処かに入れるだろう。

 勿論母は長年住み慣れたこの町で、この家で最期まで安心して暮らして行けることを望んでいる。男も女房も母のその願望を満たしてあげるように最大の努力は惜しまないつもりでいる。認知症の進行を食い止めるため、明日K先生が紹介状を書いてくれた病院に母を連れてゆく。余程のことが無い限り男も女房も将来ずっとこの家に住んでいなければならなくなった時はそのようにするつもりでいる。このように母の介護に関して、夫婦が同じ気持ちでいるということは大変幸せなことである。

 母に訪問介護サービスを提供してくれている事業所のサービス提供責任者のOさんが、男と女房に会うため夕刻帰宅途中立ち寄ってくれた。女房は認知症症状が出ている母が注意を欠いている冷蔵庫の中のことなどをOさんに説明し、今後の対応について依頼した。

 今日入所手続きをした施設には以前母のケアマネージャーをしてくれていた人がいる。その人が明日行く病院に連絡をしてくれた。人口18000人の山間の風光明美なこの町の地域の皆が母のことに関わり合ってくれている。都会地ではこのようになかなか出来ないことがこの地では出来ている。有り難いことである。