2012年2月29日水曜日



日本の排他的経済水域内における中国准海軍の行動に関連して(20120229)

中国人も自分の国・中国を「わが国」という。韓国人も自分の国・韓国を「わが国」という。北朝鮮人も自分の国・朝鮮民主主義人民共和国を「わが国」という。

 その「我が国」と、日本人が日本国を「わが国」という場合とでは大きな違いがある。中国・韓国・北朝鮮の人々がそれぞれ自分たちの国を指していう「わが国」とは、それぞれの国の支配者・指導者階層の人たちが統治している国家組織のことである。集合論的に言えば、それらの国々の一つの集合とすれば、それぞれの「国家」と「国民」はその部分集合であり、その両者、即ち「国家」という部分集合と、「国民」という部分集合が重なっている範囲は日本の場合に比べ非常に小さい。その中で韓国の場合は、それら部分集合の重なる部分は比較的大きいと見ることができる。

 それに比べ日本の場合は、国家の中心に万世一系天皇が存在し、国民の統合の象徴になっている。日本には、TPPの問題にせよ、消費税の問題にせよ、「万機公論」の中で決せられる仕組みがある。幕末の開国も、当時の情報通信のシステムは非常に貧弱であったが、当時の国・藩の垣根を越えて志ある人々の交流の輪が広がり、武士自ら特権的身分を捨て、日本列島に住むすべての人々が天皇のもとにまとまることで実現した。集合論的に言えば、日本の場合は、「国家」という部分集合と「国民」という部分集合とはほとんど重なり合っていると言える。そこが日本と、中国や韓国や北朝鮮とは大いに違っているところである。

 国という集合の部分集合である「国家」も、同様に「国民」も、それぞれの部分集合として自ら生き残ろうとする力(自存力)を持っている。北朝鮮は崩壊するだろうと言われているが、崩壊したあと残る北朝鮮の「国民」は、自ら生き残ろうと行動するだろう。

 多くの日本人は、日本国という集合における「日本国家」という部分集合と「日本国民」という部分集合が殆ど重なり合っているため、「中国国家」の自存力のことを理解できずにいる。「中国国家」は自存のため「中国国民」の愛国心を高め、「中国国民」を「中国国家」に統合させなければならない。その手段として最大限に利用するのがいわゆる「南京事件」とされるものである。奄美・沖縄・八重山までの大陸棚は中国領であると「中国国民」に言い、「中国国民」をその気にさせるのもそのためである。

また日本の排他的経済水域(EEZ 内における中国海洋局所属の船舶、その実態は中国海軍の軍艦による行動である。228日午後750分頃EEZから140キロの日本よりの海域で調査を行っていた海上保安庁の測量船「拓洋」に、0.8キロまで接近して調査の中止を要求した。勿論海上保安庁は拒否して調査を継続しているが、彼らがEEZから140キロ近くも日本よりに入って来てまで「調査を注視せよ」と「中国国家」の意思を伝えてきたことを、日本としては大きな問題として取り上げるべきである。

 竹島問題も同様である。これは「韓国国家」の意思による国際的に不法な行為である。「韓国国家」がありもしなかった従軍慰安婦問題を取り上げ、日本の大使館前に建設させ、幼稚園の児童にも「竹島は韓国領である」とか「従軍慰安婦のことで日本は謝罪せよ」とか反日的教育を行っている。

 中国や韓国や北朝鮮のそれぞれの「国家」にとって、それぞれの国の外に「敵」を作り、その「敵」を憎むように仕向けてそれぞれの「国民」を「国家」に統合しないと、それぞれの「国家」の自存ができないのである。このことを日本人はよく認識すべきである。