2012年3月1日木曜日


油断大敵(20120301)

 中国や韓国や北朝鮮の「国家」と日本の「国家」とは、「国家と国民の一体感」という点において本質的に違う。日本の「国家」と「国民」との間の一体感は、日本に天皇がいるからである。

 巷に出ている本に、大変恐れ多いことに、「(中国の)最終目標は天皇処刑」というショッキングなことが書かれている本を見かけた。中国が「国家」として生き残るためには、目の上のたんこぶとして天皇がいる。日本に天皇がいるかぎり日本は滅びることはない、と中国の「国家」は考えているに違いない。

 中国の「国家」とは、いうなれば中国共産党王朝のようなものである。中国人が「わが国」という国は、中国共産党王朝によって支配されている国である。中国のある地方都市で民主的な選挙が行われたということが話題になるような国が中国である。

 その中国の「国家」が中国の「国民(人民)」を統率するためには、「外敵」が必要である。その「外敵」として手ごわい相手は日本にほかならない。中国共産党のある幹部が「十年以内に日本を核攻撃する」と言ったことがYouTubeの動画で広まった。

何故中国共産党の幹部がそのようなことをわざわざ言わなければならなかったのか。最近頻発している中国の準海軍(中国国家海洋局)の船が日本の排他的経済水域内深くに入り込んでまで、海上保安庁が行っている海洋調査に文句を言うのはなぜなのか。最近になって「第一列島線」を表に持ち出したのは何故か。尖閣を中国の領土であると宣言し、隙あれば占有しようとしているのは何故か。あの漁船衝突事件を何故意図的に起こしたのか。わざわざ「南京事件」を捏造し、実際に起きていないことをさも実際に起きていたかのように展示してある「南京大虐殺記念館(日本での呼称)」は何故撤去せず、一層利用しようとしているのか。これらのことは全て、日本を「外敵」として中国の人民をその「王朝」に惹きつけておこうという意図がその「王朝」にあるということを示している。

 その「王朝」はあらゆる策略・方策を駆使して日本を弱体化しようとしているに違いない。スパイ・暴力・なりすまし・陰謀で日本の政府機関や企業などの内部に潜り込もうとしているに違いない。既にそういうことが実際に起きているかもしれない。日本の公安当局はそういう疑いの目をもって調査していることを期待したい。油断は大敵である。
 
 ところで日本の天皇の存在が気に入らないのは韓国とて同じだろう。皇室を「王室」と呼ばせたいと思っているだろう。韓国の王室は途絶えてしまったが、王の血統の子孫が何処かにいるかもしれない。もし韓国が王を復活させたとしたら、韓国の「国家」と「国民」の間の一体感が増すかもしれない。そうなると今までのように従軍慰安婦や竹島の問題が先鋭化することがなかったかもしれない。これはあくまで仮定の話であるが。
 
 それにしても、明治政府は初め朝鮮に「大韓帝国」と「皇帝」を立てた。しかし当時の朝鮮の事情により、その皇帝自ら日韓併合を、三度にわたる条約で認めた。もしその皇帝が代々現在まで存続していたなら、日本と韓国の関係はここまで悪くなることはなかったに違いない。