2012年4月16日月曜日


普段は誰もその家にはいない九州の田舎の家に帰る(20120415)

 毎度のことながら空港での保安検査を出た後は気忙しい。今回の帰郷では男のノートパソコンと女房のiPadを携行したため、保安検査場ではそれをバッグから取り出し、その他たとえば男のベルトとか携帯傘とか金属類は取り出して別個に検査して貰う。X線検査装置から出て来たものは、後の人が待っているので手早く元に戻さなければならない。

 1130分羽田発ANA251便は搭乗口66番、検査場からり離れた場所にある。時間がないので大急ぎでパソコンなどをバッグに押し込んだ。その時うっかりマイレージカードと一緒にバッグに押し込んだらしい。いざ搭乗口に入ろうとするときそのカードがないことに気付いた。男は係りのスタッフに事情を説明した。女房と一緒だったので係員は男の名前を確認し「何か身分を証明するものを見せて下さい」という。男は住民基本カードを見せた。搭乗時間締切間近であったが係員はその場で臨時の搭乗券を発行してくれた。航空券は早々とインターネットで購入済みであった。その時座席指定もしてあった。所定の座席に座り、検査場で外したベルト等押し込んだ手提げバッグの中を調べたが男のマイレージカードは見つからなかった。女房は「パソコンを入れたバッグの中にあると思うよ」という。そのバッグは荷物棚に入れてある。福岡に着いてそのバッグを調べたら、パソコンを入れたケースの傍にそのカードはあった。

 男が搭乗口でマイレージカードを探す騒ぎは以前にもあった。女房はあきれ顔である。男が一人で九州に帰るときは飛行機利用の方が良いが、女房と一緒に帰るときは新幹線利用の方が気分が落ち着く。一人で帰るときはビジネスマンの感覚だが、女房と一緒のときは旅行している感覚である。

 福岡空港に着いて湯布院行き高速バスに乗るまでの間小一時間あったので空港で昼食をとることにした。144分発の高速バスはいつも10分以上遅れてくるのだが今日は定刻に近く到着した。担当の係員は「最近はこのバスには韓国の方の利用が多いです」という。湯布院や別府に観光する韓国人が多いようである。男は多くの韓国人が観光で日本にやってきて日本文化・風習に親しむことは良いことだと思う。近年、竹島や従軍慰安婦や日本海の呼称のことで一部の韓国人らによる反日プロパガンダがあまりにも酷すぎる。日本人がそのことについて強く反発しないと、彼らはますますつけあがる。そういう連中と日本に観光のためやってくる連中とは別扱いにしなければならない。お互い感情的になることは決してよいことではない。

 男の家があるこの町には天然かけ流しの温泉の共同浴場があちこちにある。その浴場の近くに天ぷらやうどんのレストランがある。男と女房は家の近くの温泉共同浴場にいった。風呂に入る前にその近くで夕食をとった。男は天ぷら定食、女房は金毘羅定食を取った。この店の天ぷらはいつも新鮮な油で天ぷらを揚げていて、とても美味しい。うどんも四国の讃岐うどんのようにこしがあって、汁も薄味でとても美味しい。満足して風呂に入る。男湯・女湯板壁一枚で仕切られていて、隣の話し声が良く聞こえる。湯船は家族風呂程度の広さで洗い場は一人分しかない。入浴料は一人300円。自動券売機で入浴券を買い、その下にある入浴券投入箱に入れる。入浴券を買わずに入るようなさもしい心を持っている人は一人もいないようである。

 男がその風呂に入った時、若い男性が一人洗い場で体を洗っていた。「今晩は」と挨拶する。ここでは見知らぬ人同士でも挨拶を交わす。狭い風呂の中で世間話もする。そういうところは都会では見かけない光景である。女房は女房で会話している。聞いていると相手の女性は母がショートステイしていて世話になっている施設で働いていて母の世話をしてくれている人のようである。

 明日、母を連れて帰るが田舎の家でいま男と女房だけの静かな夜が更けてゆく。女房は送られてきた二人の息子や嫁たちからのメールに返事を書いている。メールはスマートフォンを無線ルーターとして送受している。子供たちは老いた親である男と女房のことを思い、それぞれのやり方で幸せを届けてくれている。昔親子4人で住んでいた向こう三軒両隣の路地の風景の写真や、高校進学した孫娘のセーラー服姿の写真や嫁に抱かれ甘えている孫息子の写真などが女房のiPadに送られてきた。