2012年6月14日木曜日


万葉集に学ぶ「住吉の 波豆麻の君が うま乗り衣 さひづらふ」(20120614)

巻七 一二七三 右の一首柿本朝臣人麻呂の歌集に出づ
住吉(すみのへ)の 波豆麻(はづま)の君が うま乗り衣 さひづらふ 漢女(あやめ)をすゑて 縫へる衣ぞ

住吉は渡来人が多く住んでいた場所だそうである。「さひづらふ」は「囀(さえづ)る」ということで、漢人(あやひと)(=外国人)の言葉が、小鳥のさえずるように聞こえることから「漢人」にかかる枕詞である。

この歌は、「住吉の波豆麻のそのお方の乗馬服は、渡来人の女性を雇って縫わせた衣服である」という意味である。

『日本書紀』や『続日本紀』などの史書には、随処に渡来帰化のことや日本国内移住のことが書かれている。その人数も数えだけで何万人という程になる。渡来人たちは皆、渡来前の国における身分に応じて天皇から氏姓を与えられ、相応の身分で処遇され、百済王という氏姓の一族は各地の国司にもなっている。大学の学長になった人もいる。

渡来人たちのうち当時として高度の学識・技術をもっていた人たちはそれぞれそれなりに処遇され、日本の文化向上に貢献しているが、長に引き連れられて渡来してきた手に職がある人たちはそれぞれその職を生かして異国の地で生きていたのであろう。柿本人麻呂の時代には、まだ日本語もよく話せない渡来人たちがいたということがわかる。

日本へやってきて1300年から1800年も経つと皆血が混ざり合い、今の日本人の形質の中に僅かでもその痕跡が残されている筈である。つまり皆日本人になっているのである。戦後日本に永住している人たちの子孫もやがてそうなるであろう。

しかし、日本人として日本で恩恵を受けている人たちが、自分の思想・主義主張のため、或いは自分自身の「生きがい」のため反日本的な言動を行い、他の日本人を扇動し、洗脳していることについては、新たな立法措置により厳しい監視と取り締まりを行えるようにする必要がある。その理由は、それを放置しておけば人間の体の中のがん細胞のように増殖して社会に害毒をおよぼすからである。特に一般大衆に迎合して政治家になった者、またそのカリスマ性を磨いて人々を惹き付け、政治家になろうとする者、これらには十分注意が必要である。