2009年8月22日土曜日

90歳老母の介助(20090822)

 明日21日、横浜から女房が男の田舎の家に帰ってくる。女房が帰ってくることになったのは、母が17日帯状疱疹の治療を終えて退院し男が引き続き数日間母の独り暮らしの面倒を看ることにしたのだが、男が母に「M子に帰って来て貰いたいか?」と聞いたら「お願いしたい」という返事だったからである。

 入院中男は一日3回の点滴の合間、母を運動のため病院から連れ出して散歩させていた。しかし母はその時以外は病院の廊下をちょっと歩く程度で後はベッドに横たわってばかりいた。そのせいで母の体力が低下していた。その上母の骨髄の機能は低下している。この猛暑を乗り切るため、男は女房が1、2週間母の面倒をみてやった方がよいと判断した。真夏と真冬の厳しい時期の一定期間、母の自立生活を見守りながら必要な介助をしてやる。そのような状態が2、3回あるだろう。そのうち母の自立度が低下し、男と女房はしばらく田舎暮らしをして母を介護するようになる。そのうち母は生涯を全うすることになる。

 男は米を研いで電気炊飯器のタイマーをセットしておくだけで、後は殆ど母に独り暮らしの生活の状態を続けるように仕向けている。母は味噌汁やゴーヤチャンプルなどを作っている。ゴーヤは男が庭先を耕して苗を植えたものが育ったもので、次から次に実がなっている。母が自分で作る食事だけでは栄養的に不十分なので、男はすぐ隣のお惣菜屋で出来るだけ多くの種類を買い揃えて来たものや、近所の方が母のために作って持って来てくれた酢の物などをできるだけ美味しそうに見えるように小皿などに小分けし、堅いものは刻み、デザートには男が買ってきた小豆の煮ものに砂糖と少しのお湯をかけて電子レンジで温めたものなどを食卓にのせてやった。男自身はパン、マーマレード、ベーコン、チーズ、卵、玉ねぎ、サラダ菜、トマト、コーヒー、牛乳などの朝食を作って食べている。使った食器は母が自発的に洗っている。

 以前は女房が帰ってくれば母は全て女房任せで自分はテレビを観たり新聞を読んでいたりして何もしなかった。女房は母の入浴時は頭髪を洗ってやったり、入浴後はドライヤーで乾かしてやったりしていた。これに対して男は浴槽に40℃の湯を満たすだけで、後は放ったからしにしている。男は高齢者が入浴時に事故が多いことを知っているが、母にあまり構いすぎるとかえって良くないと思っている。構いすぎると母に依存心ができてしまって、自分自身でなにもかもするのだという意欲をなくし、自立心が衰え、結果的に要介護状態を増進させることになる。年寄りには厳しい方が良い、というのが男の持論である。

 母には「明日M子が帰ってくるが、お風呂に入る時は自分で髪を洗い、風呂から上がったら自分で髪を乾かしなさい。また風呂から上がる時は、栓を抜いて排水しておくように。」と言った。母は「風呂に入る前よく体を洗うから、湯は汚れない」と言う。一番風呂に入って、その後に男が入浴すれば水の節約ができると思ったらしい。男は「年寄りが入ると湯は汚れるよ。年寄りが入った後は入れない」とはっきり言った。母は「へえ、そうかえ。」と不満気である。男は「お風呂の中で体を洗う方が楽でしょう。水を抜くのに時間がかかる。水を抜いておけば後はヘルパーさんが掃除してくれる。ヘルパーさんは1時間しかないのでその間別の仕事ができる」と言ったら、母は納得した。

 年寄りを甘やかせず、年寄りの出来ないことだけを手助けする。食事は栄養のことを十分考え、バラエティに富んだものにし、できるだけ美味しそうに見せる。加齢とともに自立度は落ちてくる。それに応じて介助度を上げる。そういうやり方がベストである。