2009年8月21日金曜日

皆年をとるのだ!(20090821)

このところ連日30数度の猛暑が続いている。男は家事などをしてびっしょり汗をかくので、一日に何度もシャワーを浴びてシャツなどを取り換える。90歳の母は乾いた洗濯物をたたむなど自分のできることをして男に手伝っているが、屋内にいるのでエアコンを使わずにいても汗はかかないようである。

男は母に「お風呂に入る?」と聞くと母は「ちょっと入ろうかな」と言う。男は母が元気に見えるし、風呂に入れるのは初めてのこともあって母の体温を測ることを忘れていた。本来なら血圧も測らなければならなかったのであるがそれも忘れていた。男は太陽光温水器から熱湯をおろし水道水と混ぜ温度を調節して40℃にして母に入浴させた。母は腰椎の一つを圧迫骨折しているので腰が曲がっている。「髪を洗う?」と聞くと「いや、今日は洗わない。」と言う。母は浴室に置いてある介護用の椅子に腰をかけ、湯舟から湯をすくって自分で体を洗っている。男が「湯舟の中で体を洗えばよい」と言うと母は「そうしよう」と言って湯舟の中に入り、自分で体を洗った。ヘルパーさんは本来正式な仕事ではないが、週2回の訪問介護で食事作りの援助をしながら母の入浴を‘見守って’くれている。母は風呂から上がってきて大変気持ちよさそうであった。

男もいずれそのような状態になるのであろうと思うが、母が入浴後浴槽の湯を抜いた後、浴槽の底にざらざらしたものが沢山残っていた。同じようなことを先日妹も言っていた。年寄りは皮膚からふけのような残滓が沢山出るものらしい。浴槽を洗浄しないとそのままでは浴室を使う気にはなれないので、男は先日妹がしたように浴槽と床面を備え付けの清掃用具で綺麗に洗浄した。

電話で女房にそのことを話したらヘルパーとして年寄りの世話をしている経験から、「そうよ。○○さんの家の嫁が‘おばあちゃん、お風呂から上がる時には掃除しておいて下さいね’と言ったとそのおばあちゃんが怒っていた。その嫁の気持ちはよく分かるわ。」と言っていた。そして、「私たちもいずれそのように汚くなるのだから、いつも綺麗でいるように心がけようね。」と言う。男もそのとおりに心がけて行かなければならないと思う。

テレビのコマーシャル番組である有名女優がご主人とよくアメリカ旅行を楽しみ、セレブ専用のような店でネイルケアをしたり、買い物をしたりする優雅で贅沢な生活ぶりを紹介していた。男は多少不愉快に思った。世の中には女性たちを羨ましがらせ、欲望を掻き立てさせる商業主義を何とも思わず、むしろそれを煽る馬鹿が多いのだ。先の戦後の日本人はみなアメリカの文化に毒されている。和服が似合う質素で慎ましやかな女性こそ最も美しいのだ。日本人は2000年の間に培われてきた日本の文化の良さを再認識すべきである。

70代前後と思われるその女優もセレブであることをさりげなく誇り、優越感を抱いているように見える。彼女も今いくら自分の美しさを誇っていても、いずれ男の母のようになるのだが・・。しかし、男がそのようなことを思わなくても、その聡明な女優自身もそう思っていることであろう。今精一杯自分を輝かせようとしているだけに違いない。

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