2009年8月8日土曜日

国家の背骨の精神を考えよ(20090808)

今月30日の衆議員議員の選挙に向けて各党は政策を訴えるのに懸命である。日曜討論会では子供手当のことが議論されていた。子供の養育については各党それぞれ表には直接出さないが、潜在的基本的な考え方、すなわち子供は未来を担う社会の宝と考えることは同じであると思う。そのため社会がどう関わるかという具体的方法については、各党まちまちな考え方をしている。子供の養育について自民党は社会的支援を与えるべき家庭をその家の所得を考慮して決めようと考える。一方民主党は家庭所得に関係なく一律にしようと考える。その他の党もそれぞれ視点が違う。違っていて当然である。
ところが、各党とも一番肝心な視点が抜けていると男は考える。それは、国家として子供たちをどう育て上げるべきかという視点である。動物たちは種族を保存するために本能的な行動をする。それは動物の種類によってそれぞれ生物学的特質が違っているので、その違いに応じてそれぞれ違っている。国家もその成り立ちや資源や国土の大きさや地政学的状況などによって当然違って然るべきである。わが日本国家として国家の将来を担う子供たちをどのように育て上げ、国家の存続、繁栄を守ろうとするのかという視点がまずあって、その上でわが国の現状に見合う対策はこうである、という考え方をすべきである、と男は考える。「子供は国の宝であるから今更そのようなことを取り上げなくても皆分かっていることである。」と各党は思っているのだろうか?
善きにつけ悪しきにつけ明治憲法下では子供を育てる上での国家の目標があった。国家としての秩序があった。だからわが国は開国後非常に短い期間で世界の列強に伍する力を身につけることができた。今年横浜開港150周年が祝われている。長い鎖国の夢から覚めた日本人はドイツやフランスやイギリスやアメリカから優秀な人材を非常に高い報酬で雇い入れ、急ピッチで日本の近代化を推し進めた。海外に出て活躍していた多くの中国人たちに居留地を与えて日本と列強諸国を結びつける役目を担わせた。士族も平民も、また最下層の人たちも四民平等にし、貧乏人の子供でも優秀な子供には社会が教育の機会を与え、国家の発展に必要な人材の育成を推進した。当時の政府も国民も日本国家としての問題を共有していた。「御国の為」という言葉を誰もが日常に使っていた。
今自民党も各党もそのようなことは棚に上げ、国の繁栄、国民の所得を増やして豊かになるといった経済的なことだけに視点をおいて政策を議論している。男に言わせれば「どいつもこいつも旦那に媚を売る妾のような根性の持ち主のようなもの」である。確かに選挙に勝たなければどうにもならないであろう。しかし、国家としての筋道を立てるためならたとえ選挙に負けても構わないという気骨を秘めた政党が、人気取りではない、しっかり地に足のついた政策を掲げて国民に信を問うようになって欲しいと男は思う。自民党は国民の人気を落とすようなことを多少述べてはいるが及び腰である。
民主党は官僚の数を減らすと言っているが、しっかりとした官僚組織あってこそ国は成り立つ。その視点の上で天下り対策等現状の問題の解決法を国民に問うべきである。民主党は「政権交代願望症候群」で、地に足のつかない人気取り政策を前面に押し出している。
男は立候補者たち、政党のリーダーたち、中央官庁の官僚たちに対して、古の昔からわが日本国はどのような国家体制で近現代に至るまでの歴史を辿ってきたかよく勉強し、国家の背骨の精神が何であるかということついて改めて思いを致して欲しいと願っている。

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