2009年8月27日木曜日

ミサイル一発喰らわないと目が覚めないのか?(20090827)

  新型インフルエンザが流行している。ニュースによるとワクチンの製造は大幅に遅れていてその使用について優先順位を決める会議ではまだ結論が出ていないというし、医療機関同士の連携協力関係が構築されている自治体は岡山県だけだという。政府はワクチンの輸入を試みている。医療機関ではサービスの限界を超える患者が殺到した場合のことを懸念している。政府はこれまでいろいろ対策を講じてきていると思うが、男はなにか歯がゆさを感じる。それは、日本人は、問題の存在に気がついていてもその問題への対処策が遅れたり不十分だったりすることに慣れっこになっているのではないかということである。

 日本人は、一発がつんとやられるまで目が覚めないのだ。今回の事態はずい分前から予想されていたことである。なぜもっと早くからワクチンの製造が順調に進まない状況に対処していなかったのか?イギリスでは全国民分のワクチンが既に準備されているというではないか!よく縦割り行政の弊害というが、男はそれだけが問題ではないと思う。

 民主党は役人を減らすと盛んに言う。男はむしろ必要な部署には役人を増やすべきであると思う。安全、安心に関わる部署の役人の数は十分ではないと思う。安全や安心のためにはコストがかかるのだ。

 今日の新聞を読んで男はその念を一層強くした。自民党は「企業を通じ賃金を増やして消費の拡大を図る」と言い、民主党は「家計に直接支給して消費拡大を図る」と言う。国民新党は郵政民営化の批判ばかりしている。選挙公報が配布されたが読んでみると、民主党は「政権交替で暮らしを守る、変わるのはあなたの生活です。」と紙面のトップに掲げ、自民党は「日本を守る責任力」と掲げている。公明党は「生活を守り抜く」と掲げている。幸福実現党をのぞいてどの党も国の防衛については触れていない。ただし、男は日本の将来のために、この党が出てくることには十分警戒が必要であると思う。

 日本人は、新型インフルエンザで何千人か死んだり、某国からミサイルを撃ち込まれたりしない限り目が覚めないのだ!国の形は人間の形にたとえて考えれば分かりやすい。人間の知能、精神、知覚力、手足の力、免疫力、学習、鍛錬、道具や器具などと国のそれらに類似する部分をくらべてみて、日本と言う国の形として改善しなければならない部分は何か、そこのところをどの政党も全く考えていないように見える。

 自民党以外のどの党も、票集めのため「経済」とか「暮らし」とか「生活」とかいうキャッチフレーズを大見出しで掲げている。一般大衆がそういう言葉に惹かれて投票し、自民党は野に下ってしまうことになるだろう。その結果もしわが国の安全が脅かされるような事態にでもなれば、そのとき初めて一般大衆は目が覚めるのだ。

 しかし、しかしである。男は、政治家たちはなぜ一般大衆に対して国の背骨である軍事力の重要性を説明しようとしないのであるかと思う。もし、政治家たちが党派を超えて軍事に関する勉強会を開くようになったら、一般大衆の目が覚めるまえに、安全保障上の問題が起きないように一般大衆を啓発することができるようになるのではないかと思う。