2009年11月30日月曜日

ETV特集「日本と朝鮮半島2000年」(20091130)

  師走は当て字らしい。一説に僧侶の先生がお経をあげるためあちこち走りまわることを意味するらしいが、四季が果てる月を意味するという説もあるようである。男は先生(=師範)が走り回る意味だろうと思っていた。ともかく明後日から12月である。年賀状を書いたり、英語のクリスマスカードを書いたり、田舎に帰る準備をしたり、特に男は詩吟の会を主宰しているので来年のテキストを準備したり、昨日書いたように吟詠の実力を試す審査を行うのでその準備もしなければならない。このところ出かけてばかりいて折角撮ってきた写真もろくに整理していなかったの、その整理もしなければならない。

 今日は、女房はさいたま市に住む親友と原三渓が遺したものを観るため三渓園に出かけた。昨日男は女房のその親友に女房が見せるための写真を20枚余りプリントしてやっていた。その親友は六義園や小石川植物園の美しい写真を見て「来年は是非一緒に連れて行って」と頼まれたそうである。女房がそのように友だちと行動するときは男は家にいて集中して作業を行うことが出来る。昼食は昨日の夕食の残りのすきやき鍋に残りご飯をぶち込んで温めるだけで、簡単に済ませて時間を確保した。

 夜、男がどうしても観たいテレビ番組が二つあった。一つはNHKテレビドラマ『坂の上の雲』である。もう一つはETV特集『日本と朝鮮半島2000年』である。それを観終わって作業の後始末を終えてこの記事を書いているのでもう午前零時を回ってしまった。

 映像は人をして精神の高揚を導く作用がある。ヒットラーは国民の洗脳のため映画を積極的に利用したという。勿論戦前の日本でも戦意高揚のため同じようなことをしていたが・・。

 NHKドラマ『坂の上の雲」』は列強に追いつき追い越し日本の国体を守るため特にかつての中下級士族の子弟が頑張って国を導いて行った様子が描かれている。現在の日本にはその時代のような国家と国民が一体となって非常に激しいエネルギーを燃焼させているという状況にはない。平和ボケしたなよなよした男も多い。豊かな時代は世界のどの国でもそのような状況なるのかもしれない。しかし日本には憲法で規定された軍隊がないということがそういう状況を作り出していると男は思う。

 ETV特集『日本と朝鮮半島2000年』では、豊臣秀吉は悪者扱いである。男はかつて韓国に旅行したことがあったが、彼の国では豊臣秀吉と伊藤博文は嫌われ者である。しかし男はそういう観方は一方的ではないかと思う。当時の中国、明国の皇帝に当時の朝鮮の王は朝貢し、国としては冊封の国であったのだ。明と朝鮮の連合があってわが国に脅威を与えてなかっただろうか。時期的には中国の皇帝がモンゴル人であったとき1274年と1281年に当時の中国・元国が朝鮮と組んで日本に来襲している。それから約300年後の1592年から1598年にかけて日本は朝鮮に侵攻している。NHKでは豊臣秀吉の時代だけを切り取って番組を構成している。なにかインヴェイダーのような者の意図があって、日本と大陸との間の関係の長い歴史全体を観ることを敢えて省いているのではないかと勘繰りたくなる。

 日本は、男はこれは527年の岩井の乱以前までの数世紀の間は、日本というよりは九州であると考えるが、朝鮮半島の南部に権益を有していた。しかし663年、当時の中国・唐国と朝鮮・新羅の連合が百済を攻め、百済を守ろうとした日本は41千人の兵と1000隻に及ぶ戦船を送り込んだが白村江で陸と海から挟み撃ちされ大敗した。大陸と日本との緊張関係は今でも変わっていないのだ。(関連:「663年朝鮮半島白村江の戦い(20091003)
http://hibikorejitaku.blogspot.tw/2009/10/663-20091003-21-10-1-17-1335-663-669-33.html )