2010年1月11日月曜日

来客(20100111)

 今日もよき天気、まるで春のようである。男が「もう春だ」と言ったら女房が「あなた、まだこれから寒くなるのですよ。大寒はもうすぐだけど」と言う。暦をみると120日が大寒である。寒中見舞いはそれまでに出さなければ意味がない。男は先日考えた今年から年賀状は失礼するための寒中見舞いを早くしなければならないと思った。(関連記事:「良い日和(20100108)」)
http://hibikorejitaku.blogspot.jp/2010/01/20100108-22-2010-29-8-cool-japan-50-30.html

 今日は我が家に久しぶり来客があり、女房は朝から張りきって客を迎える準備をしている。その一つは天麩羅の食材の準備であり、もう一つはマグロの茶漬けの仕込みである。天麩羅は皆で電気式天麩羅なべを囲んで各個に串と食材をとり、食材を串に刺して天麩羅なべで揚げながら食べるものである。揚げた天麩羅はおつゆにおろし大根を加えたものやお茶で使う抹茶と天塩などで食べる。食材には季節もののタラの芽も加え、ホタテ、えび、かぼちゃ、いんげんまめなど山海の珍味を揃える。マグロの茶漬けは新鮮なマグロのの刺身を醤油にごまや刻みネギや日本酒などを加えたものの中に漬しておいて味が染みたもの熱いご飯の上にかけてそのまま、またはお茶漬けにして食べるものである。女房は皆が満腹する以上のものを準備しているので、皆遠慮なく沢山食べた。

 お茶漬けと言えば男には忘れられない思い出がある。男が10歳のとき男の母は乳がんで入院していた。戦後の食糧難の時代、入院中の母が男と男の弟のため白米のご飯を炊き、どこからかマグロの刺身を仕入れてきてお茶漬けを作り食べさせてくれた。当時母は病院の個室に入っていたように思う。お茶漬けはその部屋で食べさせてくれた。米は祖母が秘かに届けてくれたものらしい。男はその時母もお茶漬けを食べたかどうか覚えていない。そのとき母は自分の病気がもう治る見込みがないと思っていたらしい。だから遠路わざわざ訪ねて来た幼い兄弟に母親として精一杯の愛を示したのだと思う。男は女房がお茶漬けを作るたびにその思い出を女房に話してしまう。今日は来客があったので話題はそちらの方に向いていた。だからその思い出の話はしなかったが・・。

 客人とは男の長男一家である。働き盛りの長男は海外出張が多く、昨年は37回も出張したという。その長男から男と女房はお年玉を貰った。昔男と女房は子供たちにお年玉を上げていた。今、逆に子供たちからお年玉を貰っている。嬉しいことである。男と女房はその子供の子供(孫娘)がこの春修学旅行でフランスとイギリスに行くというので、その孫娘に餞別を上げた。家族内で経済が回っている。わが家族内の経済はプラス成長である。

 その孫娘はイギリスでそのまま2週間ホームステイすることになっている。そこで男はその孫娘に「東京もパリもロンドンも現代の都会の雰囲気はあまり違いがないだろう。しかしフランスに行ったらフランス人の生活や文化、イギリスに行ったらイギリス人の生活や文化が日本とどう違うかという点に着目して観察するように」と言った。女房は「いろいろ見て来たことをおばあちゃんに話して聞かせてね」と言った。同じ旅行でも何かテーマを持って旅行する方が得るものも多いであろう。

 孫娘は日本が開発して作った超大型もぐら穴掘り機を使って完成したドーバー海峡のトンネル内を走る列車に乗ってフランスからイギリスに渡るらしい。日本はイギリスと違って山地が多く平野部は少ない。そのため地下の利用は世界に例を見ないほど発達している。地下ターミナル駅は複数の路線と連結している。日本は世界に冠たるシステム大国である。