2010年9月8日水曜日

東京裁判(エピローグ)(20100908)


 男はこのタイトルで毎日少しずつ勉強したことを書いてきたが、今日はその結論を書く。昨日母のことを中心に私小説を書くと宣言したが、それは明日から本格的に取り組むことにする。そのためこのタイトルを終わらせることにした。

 日本人の近代史観、とくに明治以降日本が中国や朝鮮と関わった歴史観については、最左翼に自虐的史観があり、最右翼に皇国史観があると思う。自虐的史観は東京裁判の判決を正しいものとし、中国や朝鮮に対して日本は悪いことをしたという思想である。一方、皇国史観は東京裁判の判決は勝者側が敗者・日本に憎しみと憎悪を表したものであって、日本は先の戦争では中国や朝鮮や東南アジアの近代化に良いことをしたという思想である。何れも正しくない。日本は引くことを知らぬため、ずるずる深みにはまっただけである。

 清朝末期、中国は欧米・ロシア列強の餌食になっていた。東南アジアは欧米列強の植民地であった。中国大陸に日本が進出したことについて、日本が欧米・ロシア列強と同じことをしたし、そうしなければ日本の安全は保たれないという理屈はあった。当時の状況としてそれは正しい理屈であり、日本だけが侵略者扱いされることは不公平である。

 しかし東京裁判の判決では敗者・日本だけが悪者扱いにされ、A級戦犯とされた東条英機、板垣征四郎、土肥原賢二、松井石根、木村兵太郎、武藤章、広田弘毅、7人の指導者たちは絞首刑に処せられた。しかもそれはナチスドイツの指導者の犯罪と同列の犯罪者として扱われた非常に不当なものであった。

 Wikipediaから引用;絞首刑になった7人の判決理由は次のとおりであり、全く不当なものであった。これには原爆投下というアメリカの犯罪を隠すためであったという見方がある。

東條英機:第40代内閣総理大臣・・ハワイの軍港・真珠湾を不法攻撃、米国軍隊と一般人を殺害した罪

板垣征四郎:満州国軍政部最高顧問・・中国侵略・米国に対する平和の罪

土肥原賢二:第12方面軍司令官・・中国侵略の罪

松井石根:中支那方面軍司令官(南京攻略時)・・捕虜及び一般人に対する国際法違反

木村兵太郎:、ビルマ方面軍司令官・・英国に対する戦争開始の罪

武藤章:第14方面軍参謀長(フィリピン)・・一部捕虜虐待の罪

広田弘毅:文民、第32代内閣総理大臣・・南京事件での残虐行為を止めなかった不作為の責任

 Wikipediaに東條英機のことがいろいろ出ている。彼は「前へ前へ」の一点張りで引くことを知らぬ面があった。統帥の中枢にありながら陸海軍一元化の統帥ができなかった。彼の取巻き(憲兵)が彼に反抗するものを左遷し予備役に入れる措置をとったり、徴兵し2等兵として前線に送ったりもした。

 男はもし小沢氏が首相になれば似たような状況になるのではないかとふと思った。ただ軍人である東條には潔癖さはあり、「金と数」をたのむような面は全くなかった。