2010年9月1日水曜日

東京裁判1(20100901)


 今日(8月31日)は、これまでになく蒸し暑さを感じた。菅首相と小沢氏は共に民主党代表選を戦うことになった。両氏の党運営の手法と政策は違っているし、それぞれ支持者がいるので、両氏が話し合って代表選を避けることができるというものではない。

 党運営に関して小沢氏は政調会議を廃止し、党に一本化するということである。これに対して菅首相は旧政権同様政調会議を置き、そこにいろいろな分科会を設け、党員全員参加する形をとっている。その方が挙党態勢として分かりやすい。小沢氏の手法は陳情も党に集中させ、権力を手にし、自在に政治を操ろうとしているとしか見えない。

 政策に関しては、小沢氏は自分が作ったマニフェストどおり実行し、財源として消費税は上げないという。これに対して菅首相は現実的な対応と取ろうとしている。それを小沢氏は現政権が官僚の言いなりになっていると批判する。これに対して菅首相は縦割り行政の弊害をなくす行革を断行しようと考えている。

 明日両氏はそれぞれの政策を発表して選挙戦に突入する。お互い選挙を戦った後は協力し合うと言うが、さてどうなるか。どこの国でもトロイカ体制はうまく行かない。まして今回鳩山氏が仲介して「トロイカ+ワン」体制となるなら一層ややこしい。

 鳩山氏は普天間基地問題で国益を損ない、また「トロイカ+ワン」体制で閣僚の活力を削がせ、結局国益にならぬことばかりやっているように見える。永田町の論理はもはや国民には通用しなくなっていることを彼は全く理解していない。菅首相も鳩山氏に説得されて鳩山氏が言った回数よりも多く「トロイカ+ワン」と公に言った。首相は指揮官(コマンダー)型でなく、調和・調整を重んじる幕僚(スタッフ)型のように見える。

 さて、外出の車中で『東京裁判を裁判する』(渡部昇一著、致知出版社)を読んだ。男は東京裁判の記録を読むほどの時間はないのでこの本に書かれていることが東京裁判の記録に正確に基づいているかどうか、自ら検証しようとは思わない。しかし、この本に書かれていることは100%正しいと確信している。

 初めて分かったことは、A級戦犯となって処刑された方たちは、結局、「通常の戦争犯罪及び人道上の罪」に問われたのであって、決して戦争を率先して始めたため罪に問われたのではなかったことである。

 東京にいて直接関わってもいず、遠い戦地で人道の罪を犯した日本兵たちの指揮監督の責任を問われて処刑されている。それも南京大虐殺という作られた嘘などによってである。ナチスドイツのようにヒトラー首相以下指揮官・幕僚が自らユダヤ人大量虐殺の罪を犯した人たちと同列の扱いであった。本来、死刑に値しない罪で処刑されたのである。

 「通常の戦争犯罪及び人道上の罪」の中身は①戦争法規違反の共同謀議、②戦争法規違反の命令・授権・許可、及び③戦争法規遵守の義務違反の三つである。

 このことを男は今まで知らなかった。男同様殆ど多くの日本人はA級戦犯に扱われた人たちの罪名を知っていないだろう。日本人は東京裁判についてよく知る必要がある。