2010年10月24日日曜日

羽田新国際線ターミナル開業(20101024)


  今日(21日)羽田の新国際線ターミナルが開業した。ハブ空港としてインチョン空港やシンガポールのチャンギ空港に対抗して国際競争力を高めて行こうというものである。ただ着陸料がこれらの空港の4倍ほどでちょっと高すぎるのが難点である。

  男はテレビの報道で、同ターミナルの開業に向けて5年も前から準備して来た各関係会社の様子を見て、現役世代の人たちが頑張っていることにある種の感動を覚えた。「日本も捨てたものではない」と思った。男の息子たちはそれぞれの会社で、男が自分の人生で出来なかったことをやってくれている。男の往時の願望や欲求が息子たちによって満たされているような感じである。そのようなことがあるのは大変幸せなことである。

  かつて自分が現役のころそうであったように、人間は「自己実現」を目指して行動し、また一方で「使命感」とか「道徳的信条」を満たすように行動する。「使命感」や「道徳的信条」が「自己実現」と重なる場合もあろうし、重ならない場合もあるだろう。重なっている方が本人にとって幸せであると男は思う。

  人間を「企業体」や「社会」や「国家」という人間の組織的集合体に置き換えて考える。そのような集合的組織体でも、先ずは生存・存続のために最低限の何かを求めるだろう。次に「安全」を求めるだろう。次に「連携」とか「同盟」とかいうようなものを求めるだろう。次に自らを他のものに認めさせようとするだろう。最後に、国家という集合組織体ならば「世界に冠たる大国」になりたいと願うだろう。

  男の女房が興味があって一緒に観たのであるが、BSフジテレビの番組で平野元官房長官と森本敏氏が日本の安全保障問題について語っていた。両氏とも日本の国家情報機関(平野氏は「情報分析力を高めるような制度設計」という表現)の設立の必要性を訴えていた。

  中国はかつての王朝時代のような大国になりたいと願望し、それこそ自国が世界の中心であると言う思想・中華思想で自国の「自己実現」を達成したいと考えているに違いないと男は思う。平野氏ははっきり言わなかったが「歴史を見れば分かる」と言って、日本が中国と付き合ってゆくためには、日本から中国に公式的な政治的団体、例えば小沢氏の国会議員団体が訪問することにより中国の人々と仲良くなり、その一方で、日本の主権はきちんと守るようにすることが最良であると考えているようである。

  中国の要人も、例え国家主席でなくても天皇に拝謁(彼らは「拝謁」とは言わないだろう)し、中華の下の国と仲良くする、それが日本として彼の国と付き合う最良の方法だと、平野氏は考えているのかもしれない。それも一つの考え方であると男は思う。

  日本人のルーツには古代、戦乱を逃れ、或いは戦乱の結果の人々の移動で、長江(揚子江)中流域から陸伝いで北周りや、長江下流から東シナ海を渡ってやって来た人々(渡来系弥生人)もいる。勿論何千年の間原日本人(縄文人)との混血で現在の日本人になっている。漢族中心の中国人(シナ人)は、秀吉の時代でもスペイン人・マニラ司教ラサールから見て「日本人がシナ人のこの上なき仇敵」と評価されていた。その中国がそう遠くない将来、アメリカを押しのけて世界を席巻するような超大国になろうとしている。