2011年4月10日日曜日

復興モード、小沢氏への期待は?(20110410)

 菅首相は、復興計画のビジョンについて「山地を削って其処に町を作る」と言う趣旨のことを述べた。一方で、ある学者は被災した場所に津波の被害を受けない高さの台を作り、その上に町や農地など被災以前の風景を作るという案を発表した。後者は、巨大地震が起きても決して潰れない深さまで杭を打って基台を建設し、その上を人工の国土として個々の所有権を認めない土地を作り、町や村や農地などを作ろうと言うものである。

 かつて何度も津波の被害を受けた町では、津波の来ない台地に新たな住宅地を作る計画を実行していた。しかし、住民は津波が引いた後の場所に戻って住んだ。その場所がまた津波で、今度は壊滅的な被害を受けた。住民が台地に住まず元の場所に戻ったのは、其処が暮らしやすかったからである。そこで、台地に住民を定住させるには、その台地に行政機構など町の主要部分を其処に置く必要があるという意見が出された。

 復興会議には、建築家安藤忠雄氏らが加わることになった。勿論地域の首長なども委員になるようである。議論百出し、なかなか意見が集約されない可能性がある。そこで必要なのは、非常に強いリーダーシップである。菅首相にそれが期待できるのか?

 この非常のとき、リーダーが先ず明確なビジョン、それも説得力のあるビジョンを持ち、議論百出が間違いないであろう復興会議をリードして行かなければならない。正に、今人びとに意識的・無意識的に願望されているのは、この非常のとき古の英雄のような、非常に強いリーダーである。自分の考え方をしっかり持っているリーダーである。民主主義だからと言って、自分の周囲の者の意見を集約して自分の考え方にするような者は、今この非常のとき‘百害あって一利なし’の者である。そのような者は、復興モードに移行した段階においては、リーダーとして相応しくない。

 民間企業であれば、有能な外国人を社長・CEOに委嘱し、大改革を断行して業績を上げることができる。今、この非常のとき、異能の人物でないと役に立たない。

 明治維新のとき、かつて下級士族であったサムライたちは、‘異能’を欧米先進国に求めた。当時としては破格の報酬を支払い、欧米に人材を求めた。それが良かった。

 自分たちが有能であると過剰なまでに自信を持っている官僚たちは、‘異能’を欧米人に求めることを嫌うだろう。しかし、今、必要なのは発想の転換である。

 小沢一郎氏は、中国への朝貢外交や天皇への不敬、不透明な政治資金、国会での説明を避けている不誠実さ、程度の悪そうな国会議員たちを手下にしていることなどで嫌われている。もし剛腕と言われる小沢氏が菅氏に代わって首相になり、復興の基礎を築く仕事を成功させるならば、その業績により彼の嫌疑は免れることを国民は認めるかもしれない。

 菅氏の役割は終わりつつある。菅氏の最後の役割は、この国の新しいリーダーに後の事を託すことである。菅氏はよくやった。しかし菅氏がこれ以上首相の座に居ることを国民は望んでいない。明日の統一選挙でその答えが出るだろう。

菅直人氏には首相の役割を終えた後、明治神宮と靖国神社に堂々と参拝して頂きたい。

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