2011年4月19日火曜日

平成22年度原子力総合防災訓練(20110419)

これまで関心が無かったので全く知らなかったが、今日(18日)の参議院予算員会で自民との脇雅史氏が、菅首相に鋭い質問をしていた中に、表題の原子力総合防災訓練というものが、普通の防災訓練とは別に、平成12年から毎年行われていることを初めて知った。

菅首相には、この防災訓練のことについて全く認識が無かった、ということが分かった。その訓練の総指揮官は、一般防災訓練と同じように、内閣総理大臣である。菅首相がそのときどういう訓練が行われたのか認識が全くなかったということは、驚きであった。

昨年1020日(水)及び21日(木)の2日間実施された訓練は、次の想定で行われた。これは今回の福島第一原子力発電所の事故とそっくりな状況想定であった。

想定
中部電力株式会社浜岡原子力発電所3号機において、原子炉給水系の故障により原子炉水位が低下し原子炉が自動停止。その後、非常用炉心冷却装置等が作動するものの、相次ぐ故障により、原子炉の全ての冷却機能が喪失し、放射性物質の放出のおそれがある。

脇氏は、「一国のリーダーの最も大事な責任は、国が外国により侵略されるような事態や原子力発電所の事故により放射能汚染が生じるような事態を常に念頭に置き、もしそのような事態が発生した場合は、どう対処するかということを常に準備しておくことである。そのようなリーダーでないと、人はそのリーダーの指揮のもと、自分の命を投げ出す覚悟で任務を果たすという気持ちにはなれない」という趣旨のことを述べていた。

菅首相は、戦後、アメリカの意図によって「自分を大事にする」教育を受けて育った世代の代表である。アメリカは特攻隊攻撃により多数の犠牲者を出したため、日本人の精神構造を徹底的に改造しようとした。「国の為、公の為」という教育を受けて育った戦前の人たちとは違う。菅氏を代表とする「自分を大事にする」教育を受けて育った世代のリーダーたちの意識は、そう簡単に変わるものではない。

菅氏には「有事相応とは何か」が全く判っていない。「地震発生40分後に、自衛隊に出動を命じた」と胸を張るが、自衛隊はその命令を受けた時、すでに出動準備を整えていたのである。彼がリーダーシップを発揮したわけではない。勘違いするなと言いたい。

 菅氏は、政治家として燃焼しきれないまま引退したくないと思っているようである。彼は何が何でも自分が復興の足がかりをつけ、財政再建の道筋をつけたいと考えている。

 菅氏が掲げる目的は間違っていない。しかしその目的を達成する手段が間違っている。菅氏は、目的を掲げるのも自分、その目的を達成する手段を選び、実行するのも自分であると力んでいる。其処に彼の私心がある。国民にとってこんな不幸なことはない。

彼は、元々市民運動家。総理の器ではない。スリーマイル島の原発事故のときのカーター元大統領と、その器において雲泥の差がある。カーターは元海軍将校で、原子炉に関する知識と事故処理など経験があった。だから、カーターはその事故発生直後に的確な指揮ができた。関連ブログ記事「緊急対処の仕方について日本とアメリカの違い(20110413)」。

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