2011年4月15日金曜日

進化の過程で得るもの失うもの(20110415)

 生物は進化の過程で得るのもがある一方で失うものがあるらしい。人類はチンパンジーより進化している部分と、逆にチンパン-よりも退化している部分があることが判っている。チンパンジーのアイちゃんは瞬間に記憶する能力が高く、人間はその部分に関してはアイちゃんにはかなわない。しかし、人類はアイちゃんにない豊かな創造力を持っている。

DNAの数は人類よりもチンパンジーの方が多いらしいが、人類は進化の過程で、チンパンジーのアイちゃんが持っているような、位置関係や個別の相違を瞬間に記憶する能力を失った代わりに、豊かな空想力、創造力などを獲得し、そのため退化した部分のDNAの数が減ったのだと言われる。

確かに、鳥は高い上空から、地上の小さな獲物を識別できる凄い能力を持っている。犬は二重、三重以上の包装や密封性の高い容器の外から、麻薬の匂いを嗅ぎわける凄い能力を持っている。鳥の視力や犬の嗅覚力に、人間は到底敵わない。

今回の福島第二原子力発電所の事故を未然に防ぐには、人間の豊かな空想力や創造力が足りなかったのか、それとも十分足りているが、それを活かすことが出来なかったのか?

私は、後者であると思う。電波望遠鏡でもコンピュータでも多数組み合わせてネットワークを作れば、単体のものよりもはるかに大きな能力を持つことができる。日本人は個々の者の「頭が良」過ぎて、物事をシステマチックに、構造的に見ることに慣れていないと思う。何よりもシステムを重視する軍隊の経験がないから、一層その弱点が出てしまう。

生物の進化の過程で、生物は生き残るためにそれこそ厖大な試行錯誤を経て、たまたま偶然に、生き残る条件に合致したものだけが残り、それがDNAにコピーされ、それ以降同じものが必然的に繰り返されて、種としての存続ができる。

今回の事故の教訓は世界中の原子力施設に活かされるだろう。しかし、事故を未然に防ぐには、人間の豊かな空想力や創造力を、ネットワークの力で最大限に引き出すための、たゆまぬ努力が必要である。

豊かな空想力や創造力が発揮できないのは、感情や、知識や、経験などが邪魔するからである。日本人は、KJ法などの思考法が得意であるのだから、今回の事故を教訓にして、「想定外」とか「未曾有」とかいう言葉は使う必要がないものを創り上げねばならない。

 日本は、戦後、平和を享受し、多くの能力を獲得した。一方で、失った能力も多い。復興・発展・繁栄のためどうすればよいのか、動物の立場になって考ええてみることが必要である。「頭の良い」人たちは、このような発想を馬鹿にするだろうが・・・。

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