2011年6月7日火曜日

販売員の言葉と表情(20110607)

 タクシーでKインターバス停までゆく。バス停でバスの到着を待っていると、一人の洒落た帽子をかぶっている齢格好60代の女性がやってきた。「お早うございます」と挨拶される。この地では見知らぬ人同士でも良く挨拶している。学童たちもよく言葉を出して挨拶している。田舎では人が少ないのでバス停など閉じられた空間で言葉も交わさずお互い黙っていることは心苦しい。見知らぬ人でもお互い気楽に会話を交わした方が楽しい。

その女性は福岡の天神まで行きそこで友達と落ち合うのだという。バスが天神に遅れて着くので待ち合わせに丁度よい、天神に着いたら携帯電話で連絡をとって待ち合わせるのだと言う。予定時刻ぎりぎりにもう一人の女性がやってきた。バスに間に合ったと安堵した風であった。バスの時刻表どおりバスが来ないことが話題になる。福岡から来るバスは大概遅れるが大分から来るバスはそう遅れないと初めに来た帽子姿の女性が言う。後に来た女性は、バスが遅れることが普通なのでそのつもりで23分遅れてバス停に来るとそういう時に限ってバスが時刻表どおりに来たりして1時間以上も次のバスを待たなければならなかったことがあったと笑いながら話す。女房は「そうですよね、だから私なんかはいつもバスが時刻表通り来ることを前提にしてバス停に来るんです」と相槌を打っている。

バスは15分ほど遅れて到着した。バスに乗って1時間ちょっとで博多駅交通センターに到着した。新幹線の発車時刻まで50分ほどある。その間に弁当など買う。新幹線の切符は昨夜インターネットで購入してある。座席は12号車中央窓際DE席である。自動発券機にJR東海のエキスプレスカードを差し込むと購入した座席の表示が出て、発券中「発券しています」と自動アナウンスが出る。

新幹線のぞみ1xx号臨時列車は定刻通り博多を出発した。臨時列車とういうのに客車内はがら空きである。いぶかっていると広島あたりから乗客が増え始めた。新大阪からほぼ満席になった。男も女房も「そうなんだ」と臨時列車のことを納得した。

博多から乗務した車内販売の売り子の若い女性に男はコーヒーを注文した。女房はまだコーヒーは要らないというので、男はその売り子に冗談っぽく「この人はまだコーヒーは要らないって」と言った。するとその若い売り子は表情一つ変えず「また後で戻ってきます、そのとき承ります」と言って去って行った。

女房はその様子を見て「可愛くないわねえ、あの娘からは買わない」と言う。男は「あの娘はまだ若いからだよ、社内訓練が足りないのだ」と言う。すると女房は「あれは性格だわよ、もちょっとにこっとするといいのに」と言う。男は「そうだよな、にこっと笑顔を見せてものを言えば、もっと売れるだろうにね、性格は変わらなくても行いは訓練で変えられるはずだ」と言う。と言いながらも作った笑顔では相手に通じないだろうと思う。

暫くしてその売り子が戻って来て、今度は笑顔で「コーヒー要りますか?」と言う。女房は首を横に振る。男は先ほどのコーヒーを女房に半分あげていた。それで十分だったこともあるが、その子の性格とセールスの下手さが一人の顧客を失った感じである。

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