2011年6月18日土曜日

鎌倉に遊ぶ (20110618)

 10時過ぎ家を出て鎌倉に向かった。男も女房も横浜市の敬老パス愛用者である。このパスは予め市のほうから通知文書があり、その通知内容に従い郵便局に出向いて行って市が決めた一定のお金を払えば貰える仕組みになっている。通知文書には市がこの敬老パスのためかなり負担していると書いてある。勿論このパスは男でも女でも所得が一定額以上の人は貰えない。敬老パスを貰ってもそれを使うような機会がない人や少ない人は、わざわざお金を払ってまでそのパスを貰うのは馬鹿らしい。この敬老パスが最も有り難い人は、男や女房のように元気で、自宅からバスや鉄道などの交通機関にアクセスが容易で、よく外出する人である。

 このパスには他の利点もある。横浜市内の有料の施設を利用するとき、その施設が老人の入場料を割り引きしているところや無料にしているところには、水戸黄門の助さんや格さんが悪徳役人らに「このご紋が見えないか」と印籠の紋見せるように、この敬老パスを見せれば割引や無料のサービスを受けることができる。

 要は、年寄りたちが元気である方が医療福祉の予算を節約できるし、元気で外出すれば外出先でお金を使うので多少なりとも経済的効果があるので、行政としても年寄りたちに様々なサービスを提供して、なるべく元気で過ごして貰いたいのである。従い、この折角の制度を積極的に利用し、外出し、金を落とすことに精出すこと善いことである。

 女房は口癖のように「花はその時にしか見ることができない。毎年同じ花を見ることはできない。体調を壊したり、介護で田舎に帰ったりしたときは見たい花も見ることができない」と言っている。女房はその時々撮った花の写真をアルバムにファイルして保管している。その写真をプリントするのはいつも男の仕事になっている。

 鎌倉へはできるだけ敬老パスを使って往復することにした。市営地下鉄で新横浜から戸塚までゆき、そこでJRに乗り換える。鎌倉まで片道の運賃は210円である。鎌倉で江ノ電に乗り長谷・極楽寺まで行く。片道210円である。それ以外は電車も地下鉄も敬老パスを利用する。敬老パスのため期初めに一定額を支払うが、それを別におけば往復840円の旅費でこの紫陽花の時期に紫陽花の景色を楽しむことができる。所要時間は地下鉄を利用しない場合に比べてそう開きはない。地下鉄で約40分の間、バッグからノートとペンを取り出して短歌を作る。五七五七七の韻の中に頭で浮かんできた語をはめ込む。出来上がった歌を女房の耳元で小さな声で言う。女房はその歌が川柳のようであり、詩情もないので可笑しがって笑う。しかしそんな遊びをしているうちにあっという間に戸塚に着いた。

 鎌倉について先ず昼食にした。小町通りに居酒屋風の店があり、まぐろ・しらすどんぶりのセットで1500円ほどの値段を表示している。これまでちょくちょく鎌倉に来ているが、そのような店に入ったのは初めてである。居酒屋なので昼からビールを取り、5品ほどの昼食を楽しんだ。その後紫陽花鑑賞の定番コース、長谷寺・御霊神社・成就院・極楽寺を回り、極楽寺である陶芸家の作品を展示販売している所に立ち寄って帰路についた。