2011年6月24日金曜日

万物みな自存を目指す(3 )(20110624)

 万物はみな自存を目指す。人間の体の中の仕組みは人間と言う一つの個体を自存させるために非常に上手くできている。けがをしてもすぐ新しい細胞ができてけがの修復を行う。体内に異物が入ってくると免疫細胞が働いて体を健全に保つようにする。ウイルスは生き物の範疇に入れてよいかどうかはっきりしないが、ウイルス個体として自存しようとする。路傍の石さえも、生生流転の中に形を変えて、何万年前も何万年後も何処かの路傍の石として存在する。この宇宙は誕生と消滅を繰り返しながら自存している。

 動物も植物も人間も「生きる」ため争う。そして「生きる」条件を備えているものだけが最終的に生き残っている。動物も植物も人間も「生きる」条件を備えるために自然に動いている。人間は高い知能を生かして、宇宙で「生きる」条件を備えるように動いている。この地球上で人間が住めなくなっても、最終的には一部の人間とその人間に連れて行かれた動物と植物だけが宇宙で生き残るだろう。すべて自存のためである。

 さて、一人の人間の自己実現の行動も自存のためである。人は自己実現のための行動を通じて生きがいを得ようとする。その努力の半ばで挫折して目的を達成することができずに生を終える人がいる一方で、どのような障壁に直面してもくじけず頑張り通し、運にも恵まれて遂には目的を達成することができる人もいる。

 人はその自己実現の行動のため自らは気付かぬうちに他の人を傷つけ、あるいは他の人の恨みを買うことがある。人は自己実現の強い意志を貫こうとすれば、自ずと他の人との間で摩擦が生じる。それでも運に恵まれ、強い人だけが自己実現を果たすことができる。

 ある人は自存のため結婚し、性交して子孫を残し、生涯を終える。ある人は結婚せず世の中に役立つ多くの仕事をして名を残し、生涯を終える。人はその一生の間に社会の一員として人それぞれの役割を担い、その役割を果たしてその生涯を終える。皆自存のためである。暴力団員、国際テロ集団員、狂信的宗教団体員など反社会的な組織の人も、皆それぞれ自存のために行動している。

 人間の自存の行動は、それが合法的か非合法的かということはともかくとして、究極的には自分がよく生きるための行動である。よく生きるためにはエネルギーの元である富が必要である。人間は富を得るということにある種の後ろめたさを感じながらも、表向き何か大義を掲げて行動する。聖人君子でない限り、人間は誰でも所詮同じ穴の貉である。

 スズメバチたちは巣の中と外から同時作業して、巣を徐々に大きくしながら1匹の女王蜂から1000匹ものハチが生まれて大集団となる。これは大スズメバチが来襲したとき自らの集団を守るためである。大スズメバチはスズメバチの巣の中の富を奪って自存しようとする。一方で1000匹ものスズメバチは多くの犠牲を出しながらも来襲した大スズメバチと戦い、自分の巣を守り抜く。それもスズメバチの自存の行動である。

 さて、今、中国が奄美・沖縄・南西諸島・台湾の領有を狙うのは、自国の自存のため富を奪おうとする行動である。中国海軍の行動は日露戦争の戦端のようになりかねない。

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