2011年9月20日火曜日

渡部昇一『日本史』を読んで日本人はどうあるべきか考える(21) (20110920)

 「中国出身の金さんは、大谷大学の大学院で日本の古典文学を学ぶ留学生です。十一年という年月をかけて「万葉集」全四千五百十六首を中国語に翻訳し、北京で出版しました。

子どものころから詩を作ってきた金さんは、万葉集に出合い強くひかれたといいます。」

『NHK日めくり万葉集』に選者の金さんの言葉が出ている。

 「万葉集を読んで感動して、昔の日本人の自然や人に対する優しい気持ちを、いまの中国人に伝えたいと思いました。」「この「序詞」の部分は栲島を引き出すだけではなく、歌中の少女、織り機、櫛、島、浪間など一連のイメージが、豊かな創造空間を作り上げています。」

 「金さんの中国語訳です。想像力を刺激された金さんは、歌を詠んだ旅人の心情にまで思いを馳せます。」

(万葉集)

 娘子(おとめ)らが 織(お)る機(はた)の上(うえ)を ま櫛(くし)もち

       掻上(かか)げ栲島(たくしま) 波(なみ)の間(ま)ゆ見(み)ゆ

(金 偉 訳・中国語)

 少女的織布机上 透過細密的梳歯 能看見浪間栲島 (『NHK日めくり万葉集』より)

 昭和20815日正午、前日に交付された「大東亜戦争終結の詔書」が天皇陛下の肉声で発表された。ポツダム宣言受託は前日の14日であった。この時から日本人の精神は連続性を絶たれることになり、翌年102日にマッカーサーが指揮するGHQ(連合国総司令部)が設置されて以降、次々出された命令により日本人の精神構造を変えさせられて行った。なおこの年(相和21年)429日、天皇誕生日に極東軍事裁判所で戦犯とされた人たちの起訴が行われた。何故、それが天皇誕生日になったのかと悪意を感じる。

 極東軍事裁判(「東京裁判」ともいう)が昭和231112日に結審し、東条英機元首相ら七人にナチスドイツ並みの罪で死刑を宣告された。東京裁判は日本人に自虐史観を植え付けた。こうして戦前の良い精神までもすべて否定され、日本人の精神は完全に断絶された。菅元首相ら民主党の主要なメンバーや多くの民主党員が国旗国歌を否定し、国家観なき首相が入れ替わり、この日本を混迷状態にしている。

 このままでは、我々の子孫は悲しい思いをすることになる。この国は今暗い闇に包まれている。その闇の元はこの日本が再び往時のような強く輝いている国に戻ることを嫌う近隣諸国の指導層の一部の人々や、日本国内に住む反日的な外国人や、日本人でありながら反国家思想を持ち、行動している人たちが作っている。私自身を含め国を憂える人々は、やり場のないような不安感を募らせている。

 そういう中、金 氏やドナルド・キーン氏や、台湾で和歌に親しむ台湾の人たちのように、日本の精神を理解する外国人が現れ、心ある日本人を励ましてくれている。非常に有り難いことである。                         (続く)

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