2012年1月20日金曜日


若い時から易経を学んだ方がよい (20120120)

 福岡に住む友人から福砂屋のカステラを頂いた。彼は男より5歳ほど年長だ。男が現役のころ知り合って以来親しく付き合っている。その彼、仮にKさんとしておこう、そのKさんは去年の4月、奥様を急に失ってしまった。奥様はがんを患っていたが医者から見は放されていて余命幾許もない状態だったが、Kさんは当の奥様にそのことを隠しとおしていた。奥様は自分ががんを患っていることさえ知らずじまいだったという。Kさんは未だ奥様を亡くしたショックから立ち直れないでいる。男はそんなKさんに時々電話を入れKさんの話を聞いてやり、Kさんをなんとか立ち直らせてあげたいと自分なりに努力しているつもりである。

 Kさんからカステラを頂いたのでお礼の電話を入れた。Kさんに易経の話をしたらKさんは興味を持ってくれて話が弾んだ。特に易はゼロと一のデジタル記号で宇宙・人生百般のことを自分で判断するものだと言ったら、学校を出て以来定年までずっと電気通信情報関係の仕事をしてきたKさんの心に響いたのだ。そんな中でKさんと男の二人の頭に浮かんだアイデアは、合計たった64卦・384爻の数で宇宙・人生百般のことを自分で理解し判断するためソフトウエアがあれば面白いなということになった。

 男は易占いを全く信用しない。あれは他人が幾ら雑念を払って筮竹を裁いて卦を出すといっても雑念が全く無い状態になれるわけではないし、出た卦をそのまま信用して安心なり、何か行動するなりするのは「他人任せ」で全く無意味である。Kさんは男以上に天の邪鬼だから、易占いに対する男の批判に全く同感であった。

 男のこのパソコンのIMEパッドには易の卦の記号は8種類しか出ていない。そこで男は外字エディタで残りの必要な記号を全部作ることにした。ところが、以前XPにはあった外字エディタがVistaWindows7にはない。そこでインターネットで検索して調べたら、外字エディタを出す方法が見つかった。以下はその作った記号を使って書いている。但し、外字エディタで作ったものは、投稿したらなってしまうから、☰を2進法の111とし、☷を同様に000としたときの1と0の数字に替えて表現しておく。

 『安岡正篤 易経講座』という本によると、宇宙・人生百般のことに関する大本には、先ず「太極」というものがある。それは1で表す。これは「陽」の記号でもある。そして「陰」の方は0である。そして「陰」と「陽」から「老陰」「少陰」「少陽」「老陽」という四つのタイプを生じる。宇宙・人生百般はこの四つのタイプ、「四象(ししょう)」ですべて表すことができるという。

 「陽1」から「老陽11」と「少陽01」が生じ、「陰0」から「少陰10」と「老陰00」の四象が生じるという。そして「老陽11」からは「乾(けん)」・「天☰(111)」と「兌(だ)」・「沢☱(011)」、「少陽01」からは「離(り)」・「火☲(101)」と「震(しん)」・「雷☳(001)」、「少陰10」からは「巽(そん)」・「風☴(110)」と「坎(かん)」・「水☵(010)」、「老陰00」からは「艮(ごん)」・「山☶(100)」と「坤(こん)」・「地☷(000)」がそれぞれ生じるのだという。

そして形象の上から名前を付けた「天☰」・「沢☱」・「火☲」・「雷☳」・「風☴」・「水☵」・「山☶」・「地☷」の八つ、作用の上から名前を付けた「乾(けん)」・「兌(だ)」・「離(り)」・「震(しん)」・「巽(そん)」・「坎(かん)」・艮(ごん)」・「坤(こん)」の八つを八卦(はっか)というのだそうである。 

 安岡正篤先生は、易の本領は宇宙の創造変化に則して普遍の法則をたずね、その法則に基づいて自己・環境を如何に変えていくかということであるとその本で強調しておられる。そして“易は宿命をたずねるものでははく、運命を打ち立てるものであります。動いて止まざる絶対的活動、したがって、その命の中に含まれている関係、因果の法則、数というものをたずねて、命を知り、命を立つる。即ち変える。これが易学である。ということが一番大事なことであります。”と言っておられる。

 男の5歳ほど年長の友人Kさんは奥様をなくされ悲しんでおられるが、東日本大震災では非常に多くの方々が親や子や兄弟姉妹など身近な家族を亡くし、その上福島原発事故に遭い、避難生活を余儀なくされている人々が非常に多い。

 男は、易は運命に打ちひしがれそうになっている人を救うものだと思う。男は人は若い時から生涯にわたり易を学び続ければ、その人はきっと良い人生を歩むに違いないと思っている。