2012年1月23日月曜日


日本に今、リーダーはいない (20120123)

 NHKで『危機の時代のリーダーを生み出す決定打は何か?』と題して幾人かの学識者らを集めて討論を行うような番組があった。男はその学識者らの顔ぶれをみて「これじゃあめだ」と思い、その番組は見ずじまいであった。何故駄目なのか、誰が駄目なのかここでは言わぬが花である。直感でそう思っただけである。

 さて、昨日男は「易経のことが少し分かってきた」と題して書いた。男の心の中には革命待望がある。今の日本では三島由紀夫が隊長であるような決起武装集団が突然出現し、日本の国家制度を一挙に変えてくれればよいと心の奥底では願望している。しかし、今の時代はそんなことは絶対できないであろう。

 安岡正篤先生の『易経講座』を読みながら男は一番興味がある箇所に差しかかっている。それは「革命」の易断のことである。

 先生は云う。「沢火革(たくかかく)」の卦、すなわち上が☱(011)、下が☲(101)の卦について、二爻から五爻まで取り出し、三爻を上下に共有してできる卦、それは「互卦(ごか)」あるいは「互体」というのだそうであるが、上が☰(111)、下が☴(110)の卦は、「天風姤(てんぷうこう)」と言って革命に関係がある卦ということである。

 先生は“世を思い、自己を空しうしてこそ本当の革命である。しかし腹黒い陰険な悪心の人間によっても革命はなされることがある。しかし良かれ悪しかれ革命には姤が必要であります。おおよそ在来のいき方に変革をなさんとする時には、大衆を集めるだけでは駄目なんで、その中心となるべき母体が必要である。それにはこの姤の初爻が大事であります。”と説いておられる。そして、“初爻が九で上爻が六であれば、せっかくの革命も決潰する”として、「互卦(ごか)」の上が☱(011)で下が☰(111)の場合を夬(かい)の卦、沢天夬(たくてんかい)の卦というと説明しておられる。

 そして、“政府でも国家でも、改革をやろうと思えば、この初爻が大事である。そしてこれに五爻が応じなければならん。他を包容し自己を空しうするような人間に家を国をまかさなければならん。”と強調しておられる。

 日本は東日本大震災に遭い、アメリカからTPP開国を迫られ、韓国ではものすごい反日の風が吹き荒れ、中国では沖縄の占領を本気で考えているという危機の最中にある。また国内では財政赤字が緊迫化し、民主党政権下日本の国体を危うくしかねない女性宮家創設・外国人参政権、・夫婦別姓制・人権侵害救済などの法案が出されようとしている。

いま、大阪では橋下市長が大阪から日本を変えようと意気込んでいる。人々の中には彼に危険を感じている人もいる。男も多少そんな危惧を抱いている。しかし、橋下市長がもし易断で「天風姤(てんぷうこう)」の卦を得るならば、彼によって日本が変わる可能性があると思う。その卦を得るかどうかは、一に彼の行動にかかっている。命も金も名誉も要らぬという全くの無心、純粋さ、そして人々を惹きつける人格が見えてくるならば、彼によって日本は変わるかもしれない。男は密かにそう願っている。