2012年1月22日日曜日


易経のことが少し分かってきた (20120122)

 昨日、男は「愚痴をこぼし、評論家的なことを言っていても時は過ぎてゆく。男には、自分の人生の終末に向けてやっておかなければならないことがある」と書いた。このことを肝に銘じておこう。年甲斐もなく色気を出すとろくなことはない。

 安岡先生は『易経講座』で人は年をとると易に興味を持つようになる、とおっしゃった。男も自分の事に照らしてそう思う。安岡先生は“(64卦の)一卦が六爻から成り立っているから三百八十四爻、これ以上延ばす必要はないんで、六十四卦で必要にして十分である。この八卦のことを小成の卦、六十四卦のことを大成の卦という。これによって人生百般の問題を大別して六十四の原型に、小分けして三百八十四の範疇(はんちゅう)に属せしめることが出来る。如何なる問題、いかなる現象も、六十四卦、三百八十四爻の枠内に入らぬものはない。これによって悉(ことごと)く皆解釈し、行動に移して行くことができる。易は解釈ばかりでなく行動の学問である。”と易経講座の中で語っておられる。

 「易は解釈ばかりでなく行動の学問である」から、男は自分の人生を振り返り易経のとおり解釈し、その後のことについて行動してゆこうと思う。

 天地のことを易で「乾坤」という。ここでは二つの記号を上下に重ねて書けないが、記号では上側に☰(2進法的に111)、下側に☷(同じく2進法的に000)を上下に重ねる。上から111000となる。この一番下の0のことを初爻、一番上が六爻といい、下から000111となる。陽爻を九(きゅう)、陰爻を六(りく)と呼ぶので、乾坤の卦は下から初六、六二(りくじ)、六三、九四、九五、上九となる。」

 安岡先生は一番大事なのは二爻と五爻であるという。すると乾坤の場合、六二と九五が一番大事となる。つまり2進法的に下から2番目の0と下から5番目の1が一番大事だということになる。乾坤を例にとったが、安岡先生は「沢火革(たくかかく)」を例にあげ、☱(011)が上で、☲(101)が下に二つが重なった記号で表すことを示している。すると二爻の六二と五爻の九五が一番大事だと云うことになる。この二爻と五爻について、先生は、例えば会社でいえば六二が課長、九五が社長、国でいえば六二が中央官庁の課長、九二が内閣総理大臣だという。

 国に例えて出た卦の五爻が九(陽)であるか六(陰)であるのか、二爻が九(陽)であるか六(陰)であるのかによって、国政がどうなるのか解釈され、それに応じてとるべき行動はどうあるべきか判断するのだろう。

 ここまで理解できて、男は易経の意味が少し分かりかけた。安岡先生の講座ではこの上が☱(011)、下が☲(101)の並びの二爻・三爻・四爻と三爻・四爻・五爻の組み合わせで、上が☰(111)、下が☴(110)の卦について、革命の成就の有無について語っておられる。☰(111)は「天」、☴(110)は「風」であるので、「沢火革(たくかかく)」の卦は、「天風姤(てんぷうこう)」の卦を含んでいる。安岡先生は、「姤」は「遇」の義で「一緒に遇(あ)う」ことであるから、革命は陰徳を持った者でないと出来ない、革命のためには是非とも「姤」が必要であると説いておられる。