2012年1月21日土曜日


今日は寒いから家の中で (20120121)

 男も年をとったものである。女房から「この家を買ったのはいつだったかねえ」と聞かれた。「19863月だよ。今から26年前」と答える。あの頃はまだ若かった。女房はここに引っ越してきたばかりのとき、買い物などのためバイクに乗っていた。勿論、男も女房も車を運転してどこまでも出かけていた。

 今日は朝小雪が舞っていた。午後3時の今では冷たい小雨である。こういう時は温かい家の中で好きなことをやっているのが一番である。そう思いながらふと思った。この寒空の下、仕事もなく、ホームレスをしている40代、50代の人たちがいる。政府は社会保障と税の一体改革を掲げて消費税を上げようとしている。福島第一原発事故で電気代も値上げされる。購買力が落ち、景気は悪くなって行くことだろう。働き盛りの世代のホームレスが増えるかもしれない。人生を悲観して鉄道自殺をする人が増えるかもしれない。

 毎年社会保障費は1兆円づつ増え続けている。税金を上げないと国の借金は増え続け、遂には国家の財政は破たんしてしまうだろう。それは誰にも理解できることである。税金を上げるため、先ず国が身を削ると言って、公務員給与削減・定員削減、国会議員定数削減などを打ち出している。それは掛け声だけで実質進まず、消費税を値上げすることだけが先行している。国民をごまかしているとしか思えない。

 まず先にやることは、国会議員の定数削減と、納税義務・社会保険料支払い義務を確実に行わせるため国民宋背番号制度を決めることである。それと同時に働き盛りの世代の雇用を増やすことである。それらのことが実現し、国民の顔が明るくなったならば、消費税を上げることにすればよい。順序が全く逆なのだ。

 政府もそれなりに一生懸命にやっているのだろう。ニワトリが先か卵が先かという議論もあるが、国会議員たちは建前として議員定数削減には賛成だが、本心としては議員バッジを失いたくないと思っているに違いない。だからこのことはどうしても後回しになってしまう。官僚たちも行政改革で自分たちの第二の人生の道が狭められてしまうことに抵抗するだろう。一方で国会議員たちは官僚いじめのようなことをして一般大衆の喝采を得ようとしている。だから国会議員と官僚の両者が反対しない「社会保障と税の一体改革」というスローガンは彼らのとって心地よいものであるに違いない。

 男がもし20代に逆戻りできるならば、このような政治の現状を変えるため相当過激な行動を起こすかもしれない。しかし、今の若者たちは本当に大人しい。大人しいだけならばまだ増しだが、「自分たちは年金ももらえなくなるだろう」と将来に対して悲観的でさえある。そのように諦めているのか、将来に日本を自分たちのもものと意識できないのか、わしは、今の若者たちは覇気がないように思う。

 このように愚痴をこぼし、評論家的なことを言っていても時は過ぎてゆく。男には、自分の人生の終末に向けてやっておかなければならないことがある。今後はその方面にもエネルギーを割かねばならぬ。早速、そのことに手を付けることにしよう。