2012年8月4日土曜日

石巻日本赤十字病院(20120804)

 NHKテレビでドキュメンタリー映像を流していた。『果てしなき苦闘 巨大津波 医師たちの記録』という映像は大変感動的であった。それは3.11大震災巨大津波発生後二人の医師の行動を中心に記録した映像である。想定外の事態が発生し、未曾有の災害が発生したとき、被害を受けた人々の命をどう救うかということについて、この映像は大変参考になる映像である。これは、各自治体や医療機関等で公共に奉仕する役目を担っている人々に是非見て貰いたい映像である。下記“”部分はWikipediaより引用した記事である。

 “赤十字は、国の内外を問わず、戦争や大規模な事故や災害の際に敵味方区別なく中立機関として人道的支援を行う。組織的には「ジュネーヴ条約」とこれに基づく国内法によって、特殊な法人格と権限を与えられた団体である。主要任務は、①紛争や災害時における傷病者への救護活動、②戦争捕虜に対する人道的救援、③赤十字の基本原則や国際人道法の普及・促進、④平時における災害対策、医療保健、青少年の育成等の業務などである。 この理念を挙有する国際法の下に、「赤十字社」のほかにイスラム教国の「赤新月社」、イスラエルの「ダビデの赤盾社」、シナ(中国)の「中国紅十字会」などがある。

 日本赤十字社は、戦前は陸軍省、海軍省管轄の社団法人であった。戦後は厚生省管轄を経て現在は厚生労働省管轄の認可法人・特殊法人である。伝統的に皇室の援助が厚く、皇后を名誉総裁とし皇太子ほかの皇族を名誉副総裁とする組織である。”

 日本赤十字病院にはこのような背景があるから、非常災害時直ちに救援活動を行う体制が出来ていて、ある意味で軍隊のような即応・機動力を備えているようである。3.11巨大津波災害圧政直後から石巻赤十字病院はその組織力を発揮して被害の局限に貢献することができたことが上述NHKの映像で良く判る。行政は本来非常に保守・保身的な組織である。被災地が求めている食糧や水など直ちに届けることをしようとしない。行政はマニュアルと「公平」の原則を金科玉条のように重要視するから、災害弱者にとって頼りにならない。ところが、石巻赤十字病院は組織をあげて救援のニーズを調べ上げ、日本各地から派遣されてきた医療・看護スタッフを統率し、きめ細かくニーズに応えることができた。その内容には本来行政が行うべき食物・水・汚物処理・下水処理も含まれている。

それでもマンパワーや資材などが足りず命が尽きた被災者が多数発生した。その中には敗血症で亡くなった老人もいる。破傷風に感染した婦人はヘリコプターを手配して他県の医療機関で治療を受けさせ救われた。日本は災害が非常に多い国である。非常災害発生時はマニュアルにないことが起きる。何よりも実践経験を積んだ医師・看護師たちを多く養成すること、そして上記のような映像で学習することが重要である。