2012年8月19日日曜日


日本人は、隠れている問題を見つけ出す能力を持つ必要がある。(20120819)

 博多駅で近所への土産に「博多明太子」を買った。店員に「原料は北海道だろう?」と言ったら「いいえ、国内産は高いですから、今はロシアやアメリカ産、ロシアが多いです」という返事が返ってきた。男は「ほう、ロシアねえ、(ロシアに)北方領土を返せと言わなくてはならぬ」と言ったら件の店員は笑っていた。

 北方の白熊が北方領土四島を鋭い爪がある手や足でがっちり押さえて、こちらを向いて牙をむいて唸り声を上げている。わが北方領土はロシアにとって食糧の源である。日本人はあまり関心がないようであるが、ロシア人たちは寒冷地で食糧を確保するのに苦労しているらしい。先々月だったかロシアメドベージェフ首相がわが北方領を訪れて得意気に、「あちら(日本)では漁獲量が少ないようだ、我々は我々の領土(日本の北方領土)近海で魚を獲ろう」というようなことを言った。北方の白熊は余程のことがない限り、手足でがっちりとわが領土の四島を押さえていて、なかなか手放さないだろう。

 これは東京に向かう「のぞみ」号の中書いている。備え付けの『WEDGE』の記事のタイトルに“持たざる国日本 エネルギー選択の「自由」はあるか”というものがある。ざっとページをめくってみると“①(日本の)化石燃料の自主開発率は思うように上がっていず25%程度である。②中国とインドの石炭需要は向こう5年で日本の数倍になることが予想される。③石油について日本が自主開発した原油の4割が集中するUAE(アラブ首長国連邦)における日本の権益のうち半分の期限が5年余りに迫っている。世界の石油メジャーや石油開発会社が虎視眈々と新規参入の機会を窺っている。④サウジでは国内での石油消費が増加してきており輸出への影響がでてきている。”などといった記事が目に止まった。

 近い将来、日本は海外からの化石燃料の確保が難しくなってくるだろう。そういう状況を「問題」であると認識し、さらに隠れている問題の発見を行い、その問題の解決のために動くべき国家組織の一つは「国家戦略室」であり、「文科省」であろう。しかし役人たちは組織規程に書かれていないことは決して行はないものである。中央官庁に勤めるエリートたちが、①問題を見つけ出す能力を持ち、②問題を解決するため障害になっているものを取り除く方策を案出し、③政治家を動かして問題を解決する能力を持つ、ということが必要である。

 男も他の多くの人たちと同じように、たまに利用する新幹線の中で手にする『WEDGE』のような雑誌を、わざわざ毎月購入して読むという気にはならない。見渡すとこの雑誌を手にしている乗客は居ないようである。これは識者たちの警告・提言が余り関心を持たれていないということである。これも日本の現状における一つの問題である。