2012年8月2日木曜日


オリンピックの柔道(20120802)

 日本の柔道がオリンピックの種目になって、日本選手は金メダル獲得がなかなか難しくなってきている。日本には「道」とつく文化が多数ある。華道・茶道・香道・剣道・柔道・弓道・合気道・空手道・居合道・吟道等いろいろな「道」がある。一部の韓国人が日本の剣道のオリジナルは韓国にあるなどと言って物議をかもしているが、韓国には日本にあるような精神性を尊ぶ「道」はない。精神性尊ぶ「道」は日本独自のものである。

 外務省が、国内外への広報・報道関係者への情報発信・文化の分野における国際交流による対日理解の増進に関する基本的な方針の企画・策定及び実施のため「広報文化外交戦略課 Public Diplomacy Strategy Division」を立ち上げた。この課の新設は、日本人の礼儀正しさや忍耐強さといった「日本的価値」の発信を強化することに狙いがあるという。

 柔道の試合をみていて歯がゆく思うのは、柔道が日本本来の柔道でなくなっているということである。第一、柔道は「スポーツ」なのか、という疑問がある。その点合気道には試合がないので心安らぐものがある。相撲もモンゴルやヨーロッパなどから来日して修行し力士になった人たちが、日本の文化・風習に則り相撲を取っている。彼らは日本語も良く話す。日本に帰化している人たちもいる。観客は彼らを日本人のように感じる。

 柔道がオリンピック種目になっているということは、日本の文化を世界に紹介するという意味において良いことである。しかし、日本の柔道はそれでよいのかという物足りなさを感じる。韓国のテコンドーも日本の空手を真似たものだという。テコンドーであれば国際試合も上手く行く。それが少林寺拳法や極真空手ではそれぞれ特殊な背景があり上手く行かないだろう。

 柔道が世界的にポピュラーになり、世界選手権大会やオリンピックの種目になっている以上、日本の柔道は「道」から徐々に遠ざかりつつあると感じる。一層のこと、この日本で定期的に「柔道世界大会」なるものを開催するようにしてはどうか。その柔道は本来の日本の柔道にするのである。勝ち負けは勿論あるが、精神性も大事にする。剣道も同様に日本で世界大会を定期的に開催するようにすればよい。もし韓国が「剣道」という名称を冠するような国際大会を考えたら嫌なので、「剣道」と名のつく国際大会を、先手を打って海外に情報発信すればよい。それは外務省新設の当該課の仕事である。日本人が日本の文化・伝統を守るということはそういうことなのである。その新設課は頑張って欲しい。

 世界中に広まっている合気道は、日本の精神文化の伝統がきちんと継承されている。そこには開祖植芝盛平翁に直に教えを受けた合気道師範たちの努力がある。