2009年7月2日木曜日


ごみの収集(20090702

 ごみの収集についていろいろ問題があるようである。男が古紙を処理している会社の現場でアルバイトをしているAさんから聞いた話によると、現場では紙おむつや食べかすが残っている容器も持ち込まれているそうである。現場ではそれらをいちいち仕分ける暇もなく一緒に処理し、中国に輸出されるそうである。

 なぜそのようなことが起きるかというと、A市が作成したゴミの収集の基準が分かりにくいことに一つの原因があることがわかった。その基準によると、ダンボールなどの古紙は燃えるごみではなく別の日に収集することになっている。ところが、A市の担当部署によれば段ボールの小箱をちぎったものはたとえ少量であってもその古紙などを出す別の日に出し、一般ごみ(燃えるごみ)を収集する日にそのごみ袋の中に混ぜて出してはいけないと言うのである。理由は段ボール箱は資源ごみだからである。

 A市が相当な金をかけて、しかも担当課が何度も会議を重ねて作成したごみの収集基準はわかりやすく作られているようで実はわかりにくい。例えば引っ越す人がいて寝具の毛布を透明な袋に入れて出してあった。市の基準では「汚れている」衣類、毛布、カーテンなどは「燃やすごみ」の収集日に出すように書かれている。男には「汚れている」基準が何なのかわからない。担当の窓口に聞いたら、「‘汚れもの’と紙に書いて出して下さい」と言う。男は出されてあった毛布に水をかけてわざわざ「汚れ」たものにし収集の様子を見ていた。ごみの中には明らかに古紙として別の日に出すものもあったが、男は作業員に「ご苦労さま」と声をかけてお願いして全部持って行ってもらった。

 男は市の担当部署に次のように申し入れた。「ごみの収集の基準を大きく二つに分けて、一つは‘資源ごみ’、一つは‘その他の家庭ごみ’と分ける。その上で、‘資源ごみ’でもリサイクルするものと、リサイクルしないものの二つに分け、リサイクルしない理由を簡単にわかるように説明する。例えば段ボールの小箱を小さくちぎったものは‘資源ごみ’であり、プラスチック類でも‘プラ’の表示のないもの、または判断が難しいものは ‘その他の家庭ごみ’とする。使用済みのサランラップは‘その他の家庭ごみ’であって、‘資源ごみ’ではないと注書きする。30cm未満の小さな金属類は資源ごみ扱いとなっている30cm未満例えばフライパンの柄の部分を含まないと注書きする。30cm未満というのは小さすぎるので45cm未満とする。シンプル・イズ・ザ・ベストである」と。

 男は‘お役所仕事’について考えてみた。役所の職員たちは ‘公僕’であると表向き‘謙遜’するが、実は一般市民を‘統治’する立場である。市の職員は平安時代の‘在庁官人’のようなものである。自ら気がつかない、いや自分自身では決して気づくことができない自分の深層心理は‘統治’される側の一般庶民よりも自分の保身や自己実現のほうが大事であるという心理である。その自分も家に帰れば一般市民なのであるが・・・。

 男は市の担当窓口である実際にごみ収集を行う現場の事務所に電話を入れ、電話に出た女性の職員に「ともかく今日うちのマンションで引っ越す人がいて、毛布を収集してくれるかどうか心配していたので、水をかけて汚れたものにして置くから持って行ってほしい」と要望しておいたところ、収集作業員は黙って持って行ってくれた。毛布などは洗濯すればリサイクルできる。収集車が基準に照らし持って行かなかった古着や毛布は放置され、雨に濡れたら次回持って行ってくれる。全くあほな話である。