2009年7月26日日曜日

衆議院の解散・抜けている国家理念(20090726)

21日、衆議院が解散された。麻生総理の記者会見は「愚直なまでに政策を訴えて行く」という、その愚直なまでの正直さがよく表れていた。初めに自分自身の失言について謝罪して頭を下げていた。そう、彼の最大の失言は、「郵政民営化に自分は反対であった」と言葉足りずに単刀直入に述べたことにある。だから郵政民営化を推進した議員たちは反発したのである。総理の真意は民営化そのものを否定しているわけではない。総理自ら言っておられるように民営化された郵政事業が「行き過ぎた市場主義」的経営に陥ってはいけないのだ。しかし民営化を推し進めた小泉元首相や竹中教授ら先人たちを決して非難してはいけないと男は思う。いかなる場合も弁証法的動きはあるものであるからである。
男は年のせいではなく、わが国は戦前の良かったところを冷静に見直し、再びその良いところだけを取り戻すようにすべきであると考える。日本がアメリカとの戦争に負け、新憲法により旧来の秩序が否定され、企業は国際社会で勝ち抜いて行くために家族主義的経営理念を下の方に押しやり、国も周辺新興国の安い労働力に企業が頼り、海外に生産の拠点を移してしまう状況の中、労働者の雇用を守るために派遣労働を推進したりして社会の中にひずみが生じてしまったが、それは、国や資本家や企業経営者だけの責任ではなく、日本国籍を有する大人たち全員がそのひずみの責任を負うべきものであると男は思う。
一部の政党では、自分たちの先祖の責任を問わず、一方的に当時の国が悪い、軍部が悪い、企業が悪いと言うが、それは間違っている。天に向かって唾を吐くようなものだ。彼らは現在でも弱者ばかりに目を向け、弱者が存在するのは政治が悪い、大企業が悪い、金持ちが悪いと非難する。マスコミもそれを煽る。一般大衆はその扇動に乗ってしまう。
われわれ日本人は天皇家を日本全国の家々の宗家とし、企業は社長を昔の藩主のように見立てて、藩士が浪人にならなくてもすむように藩に見立てる企業を上手に経営し、藩士が藩のため定年まで安心して働くことができるようにし、藩同士豊かさを目指して競い合いながらも困った時は互いに助け合うようにする、そう言った家族主義の良さに目を向けなければならない。明治天皇も「四方の海皆同胞と思う世に・・・」と詠われたように、われわれ日本人は皆、誰でも共通の祖先を持っているのである。仮に一世代25年とし、一世代が2人ずつ子供を持ったとすると、1000年も経てば二人の男女から1兆人の子孫ができることになる。千数百年前国家統一以来、地方から京へ、京から地方へと人の交流があり、当時の国策として東国から陸奥地方へ、地方から地方へと住民の移動があったり、戦国時代以降は九州から東北へ、東北から九州へと人々の移動が激しく行われたので、血は混じりあっている。誰にも天皇家の血が少しは混じっている。だから皆同胞なのである。
卒業式などで国旗掲揚時や国家斉唱時に起立しない教員が多い。われわれ日本人の各家々の宗家である天皇家、万世一系の皇統を守ることが国体を維持することであり、それは今でも必要な理念であると男は思う。『続日本紀』(講談社学術文庫)によれば、天平勝宝元年(749年)4月に聖武天皇は「大伴・佐伯の宿禰は常にも言っているように、天皇の朝廷を守りお仕え申し上げることに己の身を顧みない人たちであって、汝らの祖先が言い伝えていたように<海行かば水漬く屍、・・・>と言い伝えている人たちである。」と言っておられる。国家「君が代」も万葉集か採用した歌詞に曲をつけたものである。「海行かば」も「君が代」も皆同胞の歌なのである。皆同じ母親の血を引く同胞の歌なのである。

0 件のコメント: