2009年10月27日火曜日

坂の上の雲(20091027)

この秋からNHKスペシャルドラマが放映されると言う。男は若い頃通勤途上の電車の中で司馬遼太郎『坂の上の雲』を読んでいた。この齢になってもう一度その本を読んでみたいと思っていたが、ドラマ放映を機会にその本を読みなおすつもりである。
たまたま立ち寄った書店で『文芸春秋 12月増刊号 坂の上の雲と司馬遼太郎』という本が目にとまったので、それを購入した。販売価格1000円である。『坂の上の雲』は図書館で借りてきて読むことにしている。
この本のページをめくると秋山真之役を演じる俳優本木雅弘インタビューが目にとまった。彼は「『坂の上の雲』は・・日本という国の資質と魅力を再認識できるところにある」と語っている。男はこのドラマが日本人の眠っている心を呼び起こすことになるだろうと思う。
男は頼山陽の作詩『百済を復す』についてその詩を長詩の形式で作って講釈し、その詩に自分で吟譜を付けて自分が主宰する詩吟の会でも教え、ブログでも公開している。友人はそのブログを見てくれて「頑張っているね」と言ってくれた。男がこの吟詠と講釈に情熱を燃やすのは、平和ボケして眠っている日本人の目を覚まさせてやりたい、せめて自分の子や孫には分かってもらいたい、と願うからである。(関連、ブログ「詩吟」URL http://shimpoo.blogspot.com/ 特別吟題『百済を復す』に寄せて)
男が買った『文芸春秋 12月増刊号 坂の上の雲と司馬遼太郎』の中で東京大学名誉教授鳥海靖氏は「私は、明治日本は列強の「東アジアへの進出の激化に直面して、一歩誤ればこれに飲み込まれ兼ねないという強烈な対外危機意識と、国家の独立を維持・強化し、国際社会の中で欧米列強と対抗し得る富強な国家を建設するという大きな国家目標を人々が共有しつつ、懸命に国づくりを進めた時代だったと思っている。・・・日露戦争の主戦場が日本でもロシアでもなく、韓国と清国の国土だった冷静な歴史的事実も念頭において欲しい。」と語っている。
確かに戦前日本は朝鮮半島を領有し、人々に苦しみを与えた事実は否めない。しかし日本は正当な手続きで清国(当時の中国)に朝鮮半島の宗主権を放棄させ、朝鮮半島の支配を狙っていたロシアを駆逐し、彼の地に鉄道や通信のインフラを整備し、教育制度を確立したのである。男の父も彼の地で小学校や青少年の訓導に携わっていた。
中国は今でも北朝鮮と緊密な連携を保ち、毛沢東の時代には北朝鮮軍と協同で現在の韓国の南部まで侵攻し、朝鮮半島を支配下に置こうとした。ロシアは今でも大陸鉄道をプサンまで延伸したいという希望を抱いている。663年白村江での戦い以降新羅が唐軍を駆逐して朝鮮半島を統一したように南北の融和が進み朝鮮半島が統一されれば、その時日本はどういう状況に置かれることになるだろうか?(関連記事「663年朝鮮半島白村江の戦い(20091003)」)
男は、鳩山新政権が緊密な、しかし対等な日米関係を標榜しつつ、東アジア共同体構想も推進しようとしていることに深い関心を抱いている。国の背骨となるべき‘軍’は存在しないが、自衛隊ではあの田母神空幕長解任事件以降どのような精神教育を行っているのだろうか気になっている。(関連記事「ミサイル一発喰らわないと目が覚めないのか?(20090827)」)

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