2010年3月23日火曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(3) (20100323)

この日本で優れた素質を持った人々も難病で苦しむ人々も、凶悪な罪を犯す人々も増えてゆくのではないかとふと思った。
一世代が平均25年間だと仮定し、仮に千年前に遡って両親の数を計算して見ると、240乗という数になる。これは13桁、つまり一兆人という数になる。勿論、千年前にこの日本に一兆人もの人口がいたわけではないから、今の私たちの祖先はかなり重複していることになる。また昔は人口移動が限られていたからその重複度は相当密度が高くなる。
逆に千年前の一組の両親から現在一兆人の子孫がいる計算になる。勿論今の日本に一兆人もの人口は居ないから、私たちは千年前共通の両親がいた割合は相当高いと考えられる。
この日本国内での人口移動は奈良・平安時代朝廷の政策により推進されたが、戦国時代には武士の、或いは落ち武者の移動があり、幕末には平民の軍隊が組織され、移動し、特に明治以降富国強兵政策の下、全国民が平等の身分になり軍隊が組織され、全国規模の企業活動が行われるようになって人口移動が進み、遺伝子の拡散が進んだ。
今では交通や情報通信が高度に発達し、企業活動も国内や海外で非常に活発になり、人口移動はさらに進んでいる。そればかりではなく結婚も家柄や国籍などに縛られることなく全く自由になった。その結果、遺伝子はさらに広く拡散している。
同じ親から生まれた兄弟姉妹でも、単純な計算で親から2分の1の遺伝子しか受け継いでいない。まして、上記のように遺伝子は拡散している。そうすると冒頭に書いたように、優れた素質も拡散するが、難病などの悪い因子も拡散する。この日本で優れた人材も数多く出るが、一方でALS(筋萎縮性側索硬化症)患者や自閉症など知的障害者や、がん患者が出る家族歴が重視されるようにがん患者も多くなる。
遺伝子治療の技術が進めばそれらの患者や障害者の増加を抑制することが出来ると思うが、日本のような高度な社会では福祉や医療が一層改善されるので、寿命も延び、それらの数が減ることはないと思う。遠い将来、非常に優秀な子供がいる家族も増えると思うが、同じ家族の中に遺伝性の難病や障害者もいるという家庭も増えつづけるのではないかと思う。
日本のような高度な文明社会では、人々は血の濃さに多少があっても皆血縁関係にある。皆一つ屋根の下の家族のようなものである。人々はそのことを認識するようになるのではないかと思う。その前に、難病や障害者の増加に付け込んで、オカルト宗教や似非仏教の団体が活動を活発化する。すでにそのような兆候がある。そのような活動に人々が惑わさないようにする必要があると思う。宗教法人の定義を厳密にする必要があると思う。

ブッダ『感興のことば』第1章つづき;
21 男も女も幾百万人と数多くいるが、財産を貯えたあげくには、死の力に屈する。
22 いくら財産を貯えても、最後には尽きてなくなってしまう。高い地位身分も終(つい)には落ちてしまう。生命は終には死に至る。

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