2010年3月3日水曜日

ブッダ「真理のことば」を学ぶ(40(20100303)

 朝食後NHKの「この人とトキメキ」という番組を観た。二胡奏者チェンミン(陳敏)さんが出演していた。彼女は今29歳、二胡奏者であるお父様・陳龍章さんがチェンミンの演奏指導のためにいろいろアドバイスしてきたノートが紹介された。この親にしてこの子あり、22歳のとき来日し、アルバイトをしながら共立女子大を卒業し、日本語を流暢に話す。

 チェンミンさんによれば、二胡の音を共鳴させる琴筒の部分を丹田に当て自分の身体全体も共鳴させるようにして弾くのだという。そのため満腹状態では良い音が出ないという。番組では父娘の共演もあった。その演奏は素晴らしかった。谷村新司氏は彼女を絶賛していた。女房は「いいわね、異国で親子でこうやってNHKに出て、夢が叶って。」という。

 彼女は中国で教えられていた日本のことと、実際に見聞きする日本のことの落差が余りにも大きいいため、日本のことをよく知りたいと思ったのだそうである。彼女は長江中流域の蘇州の生れである。日本人の起源のことを思えば、彼女と我々日本人とは何千年の昔には血が繋がっていたであろう。(関連記事:2009117日土曜日「日本人の起源とヤマト王権(その1)(20091107)」、20091123日月曜日「縄文人、渡来系弥生人、日本人(20091123)」参照)

 蘇州近辺は漢詩に多くの地名が出て来る。いつか一度は中国を訪れてみたいと思っていたが、これまでいろいろ学んできたことをこの目でみるため、一度長江流域の史跡を訪れてみたいと強く思うようになった。その地域への旅行を真剣に考えてみようと思う。

 その地域の人々に対して旧日本軍が多大な苦しみを与えた。その戦争の惨禍を記念し後世に遺そうと鄧小平氏が上海に「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀館」を建てた。それは一般には「南京大虐殺記念館」と呼ばれているものである。社民党の前身である日本社会党の田辺誠という人物が総評から3000万円の金を得てその建設資金としたものである。中国はこれを反日教育の場にしている。戦争だから無法なことが実際に起こったのは間違いないが、事実が曲げられ、誇張され、宣伝されている。

 チェンミンさんが語ってくれた「落差」はそのようなところにあると思う。チェンミンさんは日中のかけはしになっている。嬉しいことだ。(関連記事:2009129日水曜日「普天間基地問題(20091209)」参照。)

 チェンミンさんはお父様と女優であるお母様の指導がとても良かったのだと思う。22歳で来日し、努力し、今や二胡奏者として世界に羽ばたこうとしている。モンゴルやグルジアやロシアなどからやってきて日本の相撲力士になった方々もそうであるが、皆、若い時に一生懸命頑張ってきて今日がある。オリムピックで活躍した選手たちも同様である。親や学校の先生や先輩などの指導が良く、本人も努力したから今日がある。

ブッダ「真理のことば」第二十章(つづき)
280 起きるべき時に起きないで、若くて力があるのに怠りなまけていて、意志も思考も薄弱で、怠惰でものうい人は、明らかな智慧によって道を見出すことがない。