2010年3月26日金曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(6) (20100326)

ヒトのゲノムの解読が進み、ヒトの全遺伝子の99%の配列が99.99%の正確さで判明しているという。この結果、やがてはガンやアルツハイマー病などの疾患の治療に役立つようになるという。将来、自閉症などの知的障害やうつなどの精神障害も遺伝子治療で克服されるようになるかもしれない。
Newton『知りたい!遺伝のしくみ』によれば、野菜の好き嫌いとかお酒に強い弱いということの原因となる遺伝子が発見されているそうである。また放火やレイプや露出癖などの衝動的な行動や攻撃的な行動をとる遺伝子も見つかっている。好奇心旺盛か内気かという気質の原因となる遺伝子も見つかっている。アメリカ人には新しもの好きで好奇心が旺盛である気質の遺伝子を持つ人が多く、日本人はその遺伝子が少ないという。
スポーツで特別な能力を示す遺伝子も見つかっている。スプリンター向きとかマラソン向きとかヒマラヤ登山向きというそれぞれの能力を発揮できる遺伝子である。身長に関わる遺伝子も見つかっている。ヒトの個人差にまつわる遺伝の多くは多因子遺伝であるが、顔つきはメンデルの法則に従うという。知能に関わる遺伝子はまだ見つかっていないが、頭がよい者が多い家系は実際にある。知能に関わる遺伝子は将来必ず見つかるだろう。
日本列島には北方、西方、南方各方面から人々が移動してきた。縄文人と渡来系弥生人との間で対立はなく混血が進んだ。われわれ日本人の遺伝子の構成は非常に複雑である。
わが国は、国土は狭く人口も多い。情報通信や交通機関が高度に発達している。そのため人々の移動も活発で、移動先で男女が結ばれる機会も多い。そのようなわが国では遺伝子の拡散が一層進むと思う。全国至るところに頭のよい人も頭が悪い人も、運動能力の高い人も低い人も、身体障害や知的障害や精神障害のない人もある人も増えてゆくことになると思う。社会福祉や医療技術が発達しているので、健常者も障害者も寿命が延びるだろう。
わが国でもし遺伝子治療の発達が遅れ、道徳を高める社会的仕組みの構築が遅れるならば、昔はそうでもなかったが、これからはごく普通の家でも、家族の中に障害者がいる家庭が増えるのではないかと思う。罪を犯す者がいる家庭が多くなるのではないかと思う。
遺伝子治療のことは、その基礎的な研究に国家予算が投入されるようなので、国としても真剣に取り組むことになっているようである。それはそれで良いのであるが、近年、犯罪が増えているように思う。それは遺伝子の拡散が影響していないだろうか?遺伝子が関わる社会的諸現象について、国として関心を持つ必要があると思うがどうだろうか?
「現代の自然観と仏教(仮題)」というテーマを掲げて哲学を始めているが、何かとんでもない大きなものにぶつかっているように思う。私にはアメリカ人に多いという好奇心が旺盛である気質の遺伝子「DRD4遺伝子」があるのかな?
26 この世においては、過去にいた者どもでも、未来にあらわれる者どもでも、一切の生き者は身体を捨てて逝くであろう。智ある人は、一切を捨て去ることを知って、真理に安住して、清らかな行いをなすべきである。

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