2010年3月19日金曜日

ブッダ「真理のことば」を学ぶ(56(20100319)

 温暖な良いお天気である。桜の開花も横浜は23日と予想されている。女房の帯状疱疹も殆ど快癒した。橋本の方にはかたくりの花が沢山咲く場所があるらしい。今年は其処にも行ってみようと語り合っている。なによりも健康が一番である。健康を害すれば時間的にも経済的にも損失は大きい。普段健康維持に心がけさえすれば健康を損なうことは全く無くなるとは言わないが、相当抑えられると思う。

 爪もみ、腹式呼吸、足の裏の刺激、大腰筋の鍛錬、外出後の手洗いとうがい、食事は食べ過ぎず良く咀嚼する、などなど普段習慣的に行えばそれを行うことは億劫ではなくなる。要はそれらを習慣的に行おうとする意志の強さである。

 しかし勤め人は時間に追われ、仕事に追われ、精神的にも肉体的にも疲れる。毎日が日曜日のご隠居ようにはできない。だからその分金をかけてスポーツクラブに通ったり、ゴルフをしたり、親しい仲間と山登りしたりして日頃のストレスを解放しようとする。しかし世間にはそれすらできない人たちも多い。働きたくても働く場所がない人たちも多い。就職したくても就職できない学卒、高卒の若者も多い。

 福沢諭吉は「天は自ら助くる者を助く」と言ったが、そのように自ら必死で自らを助けようとせず、夢や希望がかなえられないことを社会のせい、親のせいなど自分以外の他者のせいにする者も多いだろう。たとえ他者のせいにしても問題は解決されない。そんなことが分かっていても自分の意志の弱さゆえに自暴自棄か精神病になる人もいるだろう。

 勿論、そういう人たちにも社会は救いの手を差し伸べなければならない。行政は勿論、ボランティアの団体がいろいろ活動してはいる。しかしそれも社会が国家が存続・繁栄の妨げにならない程度に自動的に制御される。国家であろうと、地域社会であろうと、個人であろうと、あらゆる有機的なものは自ら存続しつづけようとする。自存力が作用する。
分子生物学を学び始めてふと思ったことがある。そのような集団や個人の動きは、すべて遺伝子に組み込まれた情報に動かされているのではないかと。善い行いも悪い行いもその行動を起こすなにか根源的な要素が遺伝子の中に組み込まれていて、それが環境の条件によって発動し、或いは発動が抑えられるのではないかと。

 もしそうだとすると、その要素は太古の昔から受け継がれたものである。人類みな太古に遡れば共通の母親に辿りつく。太古の昔以来、男女の交わりによってわれわれの身体の中には何億、何十億の他者の遺伝情報が組み込まれている。何世代にもわたってよい婚姻関係を保ってきた家系には比較的よい遺伝情報が伝わっているであろうし、そうでない家系には玉石混交、あるいは石が玉よりも多い、あるいは石が殆どというような状態になっているであろう。表に見える顔つきや身体からは見えないものがあるのかもしれない。

419 生きとし生ける者の死生をすべて知り、執着なく、よく行きし人、覚った人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。