2010年5月5日水曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(46) (20100505)

ちばてつや氏や里中満智子氏ら漫画家たちの識見や品性に大いなる疑問を感じる。彼らの漫画は世界中で良く売れているらしい。彼らは児童ポルノ漫画の弊害に目を向けず、実に尤もらしい「表現の自由を守る」という大義名分を掲げて自分たちの利益を守ろうとしているようにしか、我々には見えない。

東京都は漫画の中で「子どものへの強姦など反社会的な性行為の描写」を禁止したいと言う。これに対して山口貴士という弁護士は彼ら漫画家たちの側に立ち、「実在する子どもが映されている児童ポルノと創作物は明確に区別されるべきである」と尤もらしいことを言っている。もしかして彼の弁護士は彼ら漫画家たちから何某かの金をもらっているのではないかと疑いたくなる。

一方、後藤啓二という弁護士は「写真的な漫画は児童への性被害を助長する」、と言って東京都の側に立っている。事実、児童ポルノの漫画に刺激されて性犯罪をした男たちがいる。彼らは普段平気な顔をして官庁や会社勤めをしている男たちである。

政府はインターネット接続業者に対して児童ポルノへのアクセスをブロッキングするよう要請した。漫画たちもその動きを見て児童ポルノ漫画を描くことは多少自粛するかもしれない。その理由は、インターネット接続業者たちもブロッキングにより利益が減るので、文句を言う矛先が漫画家たちに向けられる可能性を漫画家たちも警戒するだろうと考えられるからである。これはうがった見方かもしれないが・・・

今の社会を動かしている世代の方たちの中にはしっかりした倫理観や道徳心が欠けている者の割合が若干多いのではないだろうか?あるいは、豊かな社会に生まれ育ったため極端に寛容な人々が圧倒的に多くなっているのではないだろうか?

手元に明治神宮社務所が刊行した『明治天皇御製 教育勅語 謹解』という本がある。若いころ明治神宮に参拝した折に買ったものだと思う。この教育勅語の中に「父母に孝(こう)に兄弟(けいてい)に友(ゆう)に夫婦相和し朋友相信じ恭倹己れを持し博愛衆に及ぼし学を修め業を習い以て智能を啓発し徳器を成就し進んで公益を広め・・。」とある。

インターネット接続業者や漫画家たちには「公益を広める」ため正しい考え方をし、行動をしてもらいたいと願うものである。

鳩山総理大臣が沖縄を訪問し、北アジアの状況に対処するため沖縄の米軍基地は必要である、政権を担ったばかりの頃はその重要性に気付かなかった、という趣旨の発言をした。政治家たちは軍事のことが多少分かるようになった。大変喜ばしいことである。現実の世界では軍という‘暴力装置’は存在し続ける。その装置は、こちらが抑止力を働かせない限り勝手な行動をしがちである。理想ばかりを言っていては相手の‘暴力装置’に侮られるのが現実の世界である。

17 つねに善き思考をはたらかせよ。しかしつねに悪を避けよ。そうすれば、吹き上げられた塵を雨がしずめるように、諸の思考と思索とを捨て去るであろう。

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