2010年5月1日土曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(42) (20100501)

 今日(30日)大阪に住む孫娘の誕生日である。孫娘は中学校2年生で14歳になる。春休みの間、一人で東京に住む従姉の家と祖父である私のところに日を分けて数日間滞在した。その間、原宿の竹下通りに行きたいと言うので連れていった。というよりも、祖母である女房が孫娘を其処に連れて行くのに一緒について行き記念のスナップ写真を撮ったりして付き合ったのである。あの日男と女房と同じような年寄り夫婦がやはり孫に付き合って、竹下通りを行き来していた。店はいわゆるギャルたちのため開いているような店である。店の外で待っているのは私と年齢も大差ないと思われる男のほうであった。あの街は外国人観光客には人気があるらしく、2、3のグループを見かけた。女房は孫娘にアクセサリーや口紅などを買ってやったりして結構楽しんでいた。

 そういう場所以外であれば年老いた男も孫娘と一緒に過ごすのは楽しいと思う。家にいるときは男は孫娘を私の部屋に呼んで、いろいろ見せたりして会話を楽しんだ。部屋にその孫娘がまだ幼児の頃と、小学校に入ったばかりの頃4歳年長の従姉と一緒に写っている写真がパネルの中に飾られている。まるで姉妹のようである。その従姉の方は来年大学受験のことで悩んでいる。月日の経つのは実に早いものである。

 3歳になる男児の孫はたまに電話に出て私や女房と短い会話をする。その子もすぐ大きくなるだろう。その子が15年後大学に入り、20年後社会人になる頃まで、男も女房も元気でいられるかどうか分からない。出来るだけ最期まで健康でありたいと願い、健康維持のため二人とも努力はしているが、先のことは分からない。

 男は放送大学に再入学し、とりあえず「分子生物学」と「生物界の変遷」の2科目を登録して勉強している。印刷教材以外にNewtonの『細胞のすべて』などの書物を読んで最新の知識を吸収している。私の体もおよそ60兆個もあるといわれる細胞でできている。しかも私の体は超精密機械である。細胞の中には遺伝情報が詰め込まれた司令塔があり、情報を転写し翻訳する装置があり、タンパク質をつくる装置があり、タンパク質の合成装置があり、細胞の内と外との間に物質の出入りの管理所があり、タンパク質の輸送装置があり、エネルギーの生産工場などがある。

 細胞は巨大な化学システムであり、一定の時間、寿命まで分裂と死を繰り返している。私を構成している最小の単位である細胞は私がこの世を去る時まで化学方程式で表すことができるような活動を継続している。

 男の魂は細胞の中の司令塔である核の中にあるDNAに書かれているのかもしれない。事実、ある精神活動の原因となる遺伝子は見つかっている。DNAは私の祖先から引き継いでいる。男の魂も男の祖先から引き継いでいる。男の魂は男と女房の孫たちに引き継がれている。

ブッダ「感興のことば」は、途中飛ばして第12章「道」に移る。
5 「一切の形成されたものは無常である」(諸行無常)と明らかな智慧をもって観(み)るときに、ひとは苦しみから遠ざかり離れる。