2010年5月25日火曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(66) (20100525)


10日前腰を痛め、5日前喉を痛めて2度も医者に通った。これは免疫力が低下したためであることは間違いない。免疫力低下の最大原因は加齢によるものであるという。

加齢による影響が強くあらわれる場所が胸腺(英語でThymus)であるという。胸腺は喉仏とみぞおちの中間ぐらいのところにあって10歳ごろをピークとして加齢とともに縮小してゆき、脂肪に置き換わって行き、40歳になるころにはピーク時の10%までに小さくなり、70歳になると殆ど残っていないという。この胸腺はT細胞といって体中に侵入したウイルスを攻撃する指令を出す細胞を選抜する機能をもっている。 これはT細胞の中でも‘ヘルパーT細胞’と呼ばれる。‘攻撃命令’を受ける細胞は‘キラーT細胞’や‘B細胞’である。B細胞は侵入したウイルスを無効化する抗体を作る細胞である。

胸腺は英語でThymusといい、この頭文字をとってつけたのがT細胞である。胸腺が縮小するということは免疫に大きな影響が及ぼす。T細胞を選抜する機能が衰えるということは、体中に侵入した異物を認識する能力が弱まっているT細胞や、攻撃すべき相手を間違えて自己を攻撃してしまうような細胞を‘攻撃’部隊として体内に放出してしまうことを意味するという。(以上参考図書『Newton 細胞のすべて』より。)

そうなんだ。2月に妻が帯状疱疹を患ったのも、10日前‘元気印’の私が体調を崩したのも、みなこの胸腺の機能が低下、あるいは無くなってしまったためなんだ。

齢をとると新しい免疫細胞が作られる量が減り、体内のNK細胞、T細胞、B細胞などが減少するそうである。NK細胞はナチュラルキラー細胞のことで白血球の仲間である好中球やマクロファージなどである。加齢とともにこれらの‘防衛部隊’の力が弱まるから病気になるやすくなるのだ。このことをよく承知して①バランスのとれた十分な栄養のある食事、②適度な運動、③十分な睡眠、④腹式呼吸法の実行、⑤爪もみの実行、⑥十分な睡眠などに健康法を実践し、天寿を全うするようにしなければならない。

日頃健康そうに見え、意気軒昂・気力充実しているように見える‘年寄り’たちは、ある日急に、自民党の青木氏のように政治談議の会合など華々しい社会活動を行っている最中にふらふらと崩れてしまうことが多い。

齢をとったら決して無理はしないことである。自分の体を良くいたわりながら自分の好きなことをすることである。「わしが、わしが」「おれが、おれが」と出しゃばりたがる自分を認め、以後は水戸黄門様のように家族(ドラマでは助さん格さんたち)と仲良く日々を送り(ドラマでは旅)、自分でできることで世のため、人のためになることをし(ドラマでは悪代官や悪商人らをこらしめる)、皆に喜ばれながら静かに余生を送ることである。

ブッダ「感興のことば」第22章「学問」は、次の19番目の言葉で終わる。

19 聖者のときたもうた真理を喜んでいる人々は、そのとき、かれらの説くことをことばでも実行する。かれらは忍耐と柔和と瞑想とのうちに安定し、学問と知能との真髄に達したのである。

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