2010年5月12日水曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(53) (20100512)

 陶芸をしに行く電車やバスの中で放送大学の『分子生物学』の印刷教材を読んだ。途中眠くなってつい目を閉じてしまうことがあったが、赤鉛筆をもって要所要所にアンダーラインを引いたり、書き込んだりしながら勉強した。この年になって、ソフトモヒカン刈りの若づくりのスタイルで公共の場所で勉強している姿は、客観的にみてどうかと思うことはあるが、気にしない。人は人、我は我である。しかし男は我ながら若者並みあるいはそれ以上にエネルギーがあるなと感心する。

 この若さの源泉は何だろうかと自問する。一つは食事である。魚よりは肉のほうが好きで、先ほど終えた夕食のメニューは、豚肉100グラムの生姜焼きに炒めた玉ねぎ、納豆にオクラの刻みを混ぜ合わせたもの、じゃこと昆布とゴマなどを混ぜ合わせたふりかけ、茹でたブロッコリーにコレステロールを下げる働きのあるマヨネーズをかけたものなどに1杯のご飯などであった。男の女房は常に男の健康を気遣ってくれていて、料理をするときも最新の栄養学の知識を駆使し、自分の部屋でパソコンに向かっている男に「ご飯ですよ」と声をかけてくれる。男は女房のことをいつもを有り難く思っている。毎食後、付属の計量カップで養命酒を飲み、エビオスを10粒摂る。エビオスには人間の体では作ることができない必須のアミノ酸が全部含まれている。

 もう一つの源泉はよく歩くことである。女房も男もシチズン製の高性能万歩計をいつもバッグに入れて持ち歩いている。駅ではエスカレータを使わず歩いて上り下りする。足をよく上げ大腰筋を鍛える。起床前爪揉みや腹式呼吸や腹筋・背筋ストレッチ等で体調を整える。

 さらに気持ちの持ちようである。動作、歩行姿勢、服装など年寄り臭くしない。加齢臭も毎朝シャワーで特に胸と背中を流し、臭いのもとを流す。女性に対する関心は維持する。

 分子生物学を勉強すればするほど、自分の体の中でDNARNA、タンパク質など分子のレベル起きていることに新たな驚きを感じる。正に自分の体は精密な機械の集合体である。ごく簡単に言えば、タンパク質はDNAの情報がRNAに転写され、翻訳されるときにアミノ酸の結合で作られる。

 RNAへの転写がDNA上のどの情報を読み取るか、読み取る際の誤動作をどう修正するのか、作られたタンパク質はどのような手段で細胞の外に持ち出されるのかなどと言ったことは分子生物学の初歩の事柄であるが、それでも100分の1ミリメートルの細胞の中で起きている事柄には本当に驚かされる。そのDNAは1個の総延長が数センチメートルの長さであり、それが1個大きさが直径100分の1ミリメートルほどの細胞の中の核の中に巧妙にたたみ込まれて納まっている。ヒトの体にはそのような細胞が200種類以上あり、総数60兆個の細胞がコラーゲンを初めとする各種タンパク質によって機械的に接着されている。しかもそれらの細胞は火傷や打撲や突発的な強い刺激で死に、また紫外線や活性酸素などによってDNAが傷ついて死ぬ。細胞はその都度新たに作られている。

8 ひとがつねに目ざめていて、昼も夜もつとめ学び、不死を得ようとしているならば、その人のもろもろの汚れは消え失せる。