2010年5月11日火曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(52) (20100511)

鳩山内閣の支持率が急落した。普天間問題で自らの発言を党の公約ではなかった、と言い、アメリカ海兵隊の沖縄駐留が抑止力になっていることを初めは認識していなかったがいろいろ学んでゆくうちにそれがわが国の安全保障上沖縄に駐留することが必要であることが分かったと言う趣旨の発言をしたことが、これまでの献金問題等と合わせて総理への不信感につながったのである。検察審査会で起訴相当とされた小沢氏をかばったことも響いている。首相としての資質を多くの国民が疑問に感じ始めたのである。
世論調査では夏の参議院選挙で民主党に投票する人が極端に減少した。そして自民との大連立を望む声が多くなった。自民党支持率は低水準のまま横ばいで、自民党単独過半数を国民の大多数は望んでいない。かといって第3極の「みんなの党」に対しては驚くほどの支持が集まっていない。国民の多くは行政改革が出来なかった自民党、政官業癒着構造にメスを入れられなかった自民党に限界を感じ、未熟で危うい民主党には自民党ができなかったことを事業仕訳という手法でやろうとした努力は認めるが、民主党が「マニフェスト、マニフェスト」と金科玉条のように叫び理想ばかりを追求して現実に対処できないことやわが国の安全を損なうようなことをしていることに対して失望している。
物事は一方的に観るだけでは大事なことに気づかずに終わってしまう。昨年民主党が政権をとって以来、自民党も民主党も「非武装中立」を党の絶対方針としている社民党もその他の政党も、一般国民もいろいろ学んだ。そのことは非常に大きな収穫である。
中国の海軍のヘリがわが国の護衛艦に近づいたことや、中間線の内側で調査していたわが国の調査船が中国の船に付きまとわれたことなどは、わが国の国民感情を害した。かつてフィリッピンのクラーク基地からアメリカ空軍が撤退したあと、中国が南沙諸島に手を出し一部を事実上領有してしまったことを我々は思い出す。中国と言い、北朝鮮といい、本当に付き合いにくい国々である。たとえ日本とそれらの国々の政府間でよい関係ができたとしても人間でいえば‘腕っ節’や‘足’が‘ちょっかい出し’をする。彼の国の政府も自国の民衆に反感をもたれないように、「わが国の大陸棚は中日中間線の外側まで広がっていてわが国(中国)の権利が及ぶ。」と言うようなことを言う。
平和ボケしていた日本国民もここに至りようやく目が覚めつつある。国民が選んだ指導者たちもプアであったが、政権交代を契機に指導者たちも国民も現実を良く学ぶことが出来ている。だから鳩山首相は後世に名が残るような良いことをしてくれているのである。
先日、読売新聞社が国を再生させる提言を大開きのページ一杯に載せた。政党もしっかり勉強し、国をどういうように導いてゆくかというしっかりした理念と方針と当面の具体的実施要領を示してくれることを期待したい。人気取りの迎合政党に、わが国を任せることは出来ない。国の為尽くす‘英雄’の出現を願望している国民は多いと思う。
7 目ざめている者どもは、わがことばを聞け。眠っている者どもはめざめよ。眠っている者どもよりは目ざめている者がすぐれている。目ざめている者には恐れが無いからである。

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