2010年5月10日月曜日

ブッダ『感興のことば』を学ぶ(51) (20100510)

 男は久しぶり放送大学世田谷学習センターに行った。同窓会の役員会に顔を出し、その会議が終わった後、視聴学習室・図書室に行きそこで3時間近く分子生物学の勉強をした。分子生物学ではDNAに関して日々新たなことが分かってきているようである。『生命と非生命のあいだ -NASAの地球外生物の研究 -』という本が受付の前に置かれていたのが目にとまりこれを借りて帰った。

 生命は近い将来人間が実験室の中で創造することができるかもしれない。もしそれが実現すれば大変恐ろしいことになるだろう。そういう予感がする。創造された生命はエイリアンである。この地球上にはまだ自然の状態の中に人間がまだ発見できていない未知の生命・エイリアンが存在しているかもしれない。

 南極大陸に落下した隕石が火星から飛来したものであることが判明したが、その隕石には生命は発見されていなかった。しかし生命の起源は宇宙にあるのではないかと考えられるようになっているようである。あいにく日付は記入していなかったが今年春ごろの読売新聞の記事を切り抜いたものを取ってある。その記事の概要は次のとおりである。
アミノ酸には右型と左型があるが、人類を含む地球の生物は左型のアミノ酸でできている。しかし通常の化学反応では左右ほぼ等量ずつであるため、なぜ地球の生物にアミノ酸の偏りがあるのかは大きな謎になっていた。

 国立天文台などの国際研究チームは南アフリカにある近赤外線望遠鏡を使って地球から1500光年離れたオリオン大星雲の中心部を観測した結果、アミノ酸をどちらか一方に片寄らせてしまう「円偏光」という特殊な光が太陽系の400倍という広大な範囲を照らしていることを突き止め、この円偏光の領域に右型のアミノ酸を壊して地球のように左型ばかりにするものと右型ばかりにするものとがあることが分かった。太陽系誕生のごく初期に円偏光に照らされた結果左型のアミノ酸ばかりが残り、隕石に付着して地球に飛来したものがこの地球上の生命の起源になったのではないか。

 ここで円偏光とか左型アミノ酸とか右型アミノ酸という用語については、今後詳しく学習してゆきたいと思う。分子生物学は私のような素人でも面白いので、おそらくこの分野の研究者たちは毎日わくわくしながら未知の事柄の解明に取り組んでいることであろう。
仏教はキリスト教やイスラム教などのように万物を創造したとする神を信じる一神教ではない。仏教は「一切衆生悉有仏性」と一切の衆生には悉く仏性が宿っているとし、絶対の神が存在するか存在しないかなどと不毛の議論をするのを禁じる立場である。

 そういう立場で人間の精神の大本になっている物質であるアミノ酸が宇宙から飛来したとする研究結果は面白い。「あの世」はもしかすると人類の歴史の中で意識が発達してきたときに遺伝子の中に組み込まれた一つの情報かもしれない。

3 身体についてつねに真相を念(おも)い、つねに諸の感官を慎み、心を安定させている者は、それによって自己の安らぎを知るであろう。