2010年8月15日日曜日

仏教と科学の接点を考える(続き) (20100815)


「人類は」というが、それは具体的にはスティーヴ・ベンナーやフロイド・ロームズバーグら科学者たちのことであるが、その「人類は」、既にDNA類似のものを創りだすことに成功している。しかもそのDNA類似のものは5世代まで複製を繰り返した。さらに人類はDNAがコードに使っている4種類の塩基・ATCG以外の化学塩基を使って通常の20種類のアミノ酸だけではなく、全く新しいアミノ酸を指定することができた。

僅か100分の1ミリの大きさの細胞の中の核の中には1個の総延長が数センチメートルのDNAの二重鎖が絡まないように滑車の形のようなヒストンというタンパク質に巻きついている。そのヒストン1個に巻きつくDNAの塩基対は146セット分である。DNAのひもは長いため1本のDNAには極めて大量のヒストンが使われている。DNAはヒストンによりすぐほどける形になって繊維状に連なっている。その繊維状のDNAが直径1000分の1ミリメートルの更に100分の1(10nm)ほどの核の中に46本収まっている。46本のDNAの長さを合計すると2メートルほどにもなる。そのようなDNAが収められている核の中の中央に核小体というものがあり、そこには主にタンパク質の合成装置であるリボソームの部品が集まっている。それには膜はない。

核は二重の膜に包まれていて、その膜には核内で組み立てられたRNAが核の外に出て行くための穴があちこちに開いている。核の中ではDNAの情報を読み取るRNAポリメラーゼという措置があって、二重らせんのDNA鎖を解きながらDNAの情報を読み取ってRNAにする。情報をDNA上のどこで読み取りを始めるのか、もし読み取りが間違った場合対策など細かい仕組みが核の中にはある。

核以外に細胞の中にはタンパク質を合成し、合成されたタンパク質を仕分けして細胞の外に送り届ける装置まで合成されたタンパク質を輸送する装置や、エネルギー装置などがある。そのような細胞が人体には60兆個もある。

この地球上に40億年もの昔、偶然に生まれた生命の素となるものが時を経て今日のような多種多様な生物群になった。その生物群の頂点にある人類は、遠い未来、地球上で生存できなくなる前に宇宙に脱出すべく、今盛んに宇宙開発が進められている。

その人類は、「過去世(前世)」や「未来世(来世)」の在ることを信じ、あるいは信じず、又はその「在る」ことを証明しようと試みている。

人類のDNAに書き込まれる情報はただ単に生物学的な遺伝だけであるのだろうか? 3次元の世界に住むわれわれには認識できない事柄によっても書き込まれるのだろうか?

科学者ではない耳学問の徒は、ふざけたことと思われるようなことを考えている。もし、科学は、「前世」とか「来世」というようなものは絶対に存在しないのだと証明できるとすれば、2500年前お釈迦さまが説かれた教えは、通用しなくなる。

その時は非常に多くの人々、お釈迦さまが教えるように「他を拠り所とせず、自分自身だけを拠り所として」人生を生きることが出来る人以外は、幸せは得られなくなるだろう。

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