2010年8月18日水曜日

仏教と科学の接点を考える(終) (20100818)


「同調性」が勝っている性格とそうでない性格、「うつ傾向」が勝っている性格とそうでない性格は、遺伝的に同じでも生後の独自の環境次第で違うと言うことである。

ここで「自尊感情」とは、自分の気持ちを大切に思う気持ちや自身の強さのことである。「権威主義的伝統主義」とは、権威に服従したり保守的であろうとする態度である。

一方「論理的推論能力」や「言語性知能」や「空間性知能」や「学業成績」は約70%が遺伝によるものである。しかし、「言語性知能」ではその55%が特に親や周囲の指導如何により影響を受けるものである。つまり、生まれつきその知能が高くても、親や周囲の指導如何によりその知能を発揮できないのである。また「権威主義的伝統主義」についても約15%が同様である。

これらは約30%が遺伝以外の要素、つまり本人独自の環境によるものである。

このことはこれらの要素は家庭環境の影響をあまり受けないということを意味する。例えば親が子供に過大な期待をし、本人が嫌がるのに無理やり塾通いをさせ、なんとかそこそこの大学入試に合格したとしても、よい結果は得られないとうことである。

このように、本人の性格や精神状態や能力は遺伝学的な影響と社会学的な影響によるものである。先祖や親や血縁的親族の「あの世」が、その本人の「この世」に現れるという遺伝学的影響だけではなく、血縁・非血縁的家族や親族や関係者の「この世」が本人をしてその家族や親族や関係者の「あの世」となって現われるという社会学的な影響があるのである。この場合、「この世」と「あの世」の時差は様々である。諺に言う「子は自分の鏡」「反面教師」などはその例である。

このように「この世」から「あの世」への時間や方向はいろいろである。因果応報の関係には現代科学ではまだ解明できていない‘ある何か’も作用しているかもしれない。その‘ある何か’はそう遠くない将来必ず解明されることを期待したい。

お釈迦様は「施し」について①お金や財物による施し、②人間の正しい生き方に関する仏教の教えを人々に説明する施し、③暖かい清い心で人々に優しくし、安心感を与える施しの三つがあることを説かれた。資産がなく、学問が無くても優しい心でただにこにこ笑顔でいるだけでも立派な施しであるということを説かれた。

お金がなく生活に困っている人がお金を借りに来たら、その人に返済を期待せずお金を貸してあげる行為は①の「お金や財物」による施しである。その上さらに 仏教の教えを話して聞かせ、「本当に困った時はまた相談に来なさい」と言ってやれば、それは最高の施しである。そのようにした家は信用・信頼の徳が積み重なり、ますます栄え、そのようにしなかった人の家は栄えない。過去。そのような事例は沢山ある。

このように「あの世」は確実に存在している。ただ、現代の科学ではまだそれが証明できないだけである。8月15日の終戦記念日、日本国政府として靖国神社に参拝しないのは間違っている。男の従兄や友人の父親はビルマで戦死している。その御霊は靖国神社にある。

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