2010年8月23日月曜日

ネットワーク・システム(20100823)


 神経細胞は「細胞体」と、他の細胞からの入力を受ける「樹状突起」と、他の細胞に出力する「軸索」がある。一つの神経細胞の「軸索」と他の細胞の「樹状突起」の間に電気信号が「流れ」がある。人間や組織つながりによる社会的なネットワークや電気通信のネットワークも、「節点」と「経路」を結ぶ「流れ」がある。この密度が高度で効率的であればあるほどシステムとしてのパワーが大きい。

 一人の人間がどんなに頭が良くてスーパーマンのようであっても行動の目的を共有する人と人とのネットワークのシステムには絶対かなわない。ピンクパンサーという国際的な盗賊のネットワーク・システムも、国際刑事警察機構という国際的な警察ネットワーク・システムにはかなわない。国際テロ集団にもネットワーク・システムで対処できる。

 スポーツも戦争もシステムとシステムの競争、或いは戦いである。システムの優位な方が勝利する。スポーツでは、選手一人だけの力では競争には絶対勝てない。

 システムということが良く分からない人たちが多い。普天間基地移転問題はこじれ、感情的な問題に発展してしまった。その根本原因は、政治家も官僚たちも軍事システムということについて理解や知識が足りなかったためである。

 人の身体を一つのシステムとして考えてみる。それを国というシステムと対比してみる。頭脳は政府である。軍事力は武器を手にしている状態である。全身の神経網は、国の通信網である。全身の血管は国の交通網である。

 武器を手にしている人間同士は、自分が強いかどうか常に意識し、相手に馬鹿にされないように武術の鍛錬をする。同様に国の軍隊同士は相手の軍隊の能力を意識し、時々演習などで相手に圧力をかけ、時々領空・領海すれすれに行動して相手の軍隊の出方を探ろうとする。ロシアの爆撃機がそのような行動をし、武装して待機していた航空自衛隊(‘日本国防空軍’)の戦闘機が緊急発進して次々にリレーしながら監視を続ける。中国の艦隊がそのような行動をして海上自衛隊(‘日本国防海軍’)の護衛艦(‘駆逐艦’)が一定の距離をおいて航行し監視を続ける。

 民主党が昨年行った公開の事業仕訳はパフォーマンスの面が見え見えだったが、国民にいろいろ情報が公開されたという面で非常に良かった。その時スーパーコンピューターについて「1位ではなくて、2位では駄目なのか」と質問されたとき、反論することができなかった。これは官僚にコンピューターシステムに関する見識が欠けていたためである。

 多数決だけによって国の政策が左右される状態は良くない。真の民主主義とは、「良識があり志を同じくする有能な、ごく限られた少数の人たちが連帯して決定したこと」を、その人たちが皆をまとめて「民意」に仕向け、それで多数決を得るようにすることであると男は思う。

 夫婦は最小のネットワーク・システムである。例えば夫婦と子供二人の家庭の意見は、一応子供たちの意見も聞くがあくまで参考にするものであって、子供たちによく話してきかせて納得させ最終的には夫婦の意見を一家の意見とする。同様に、この国も表面には出ない良識ある人脈のシステムでこの国を導いてもらいたいと思う。