2010年8月16日月曜日

仏教と科学の接点を考える(続き) (20100816)


ハーバード大学の理論物理学者リサ・ランドール博士は、核分裂実験の過程で偶然、一部の素粒子が突然消失するのを発見した。博士は、素粒子が突然消失したのは素粒子が5次元空間に飛んで行ったためであるという仮説を立てた。

博士は弱い力である重力に注目して、重力が弱いのは我々を取り巻く4次元世界が5次元世界の中に取り込まれているためだという。

博士によると我々の4次元の世界は5次元の世界からみると薄い膜のようなものであるという。そして4次元と5次元の間には重力が行き来しており、4次元の世界は何もわれわれだけの世界ではなく、他にも薄い膜のような4次元世界が存在しているはずであるという。もしかして「この世」の薄い膜も、時系列上の無数の「あの世」の薄い膜も、畳み込まれていてホログラムのようになっているのかもしれない。

われわれは4次元しか認識することができないから、われわれの世界の外側に別の世界、それは重力が行き来する5次元世界があると言われても、それを認識することができない。しかし5次元世界にもし‘ある何か’が存在しているとすれば、その‘ある何か’は確実に我々を認識しているに違いない。それはなぜかと言うと、3次元のわれわれが地面に描く2次元の模様を認識できるように、次元の高い世界に存在している‘ある何か’は、次元の低い世界に存在しているものを認識できるからである。

5次元世界が存在しているか否かについては理論物理学的な実験により説明できるとして、博士はスイスにある欧州原子核研究機構(CERN)の素粒子衝突型加速器(LHC)による実験に期待を寄せている。しかし博士の理論が正しいとしてもこのLHCのエネルギーでは極小ブラックホールは生じず、余剰次元は検出されないだろうと言われている。

このLHCは大変危険であるとして訴訟が起こされているので、LHCのエネルギーをこれ上げるようにすることは非常に難しいだろう。

CERNのLHCは事故つづきであったが昨年11月20日に稼働を再開した。人類はそう遠くない将来、訴訟や事故の恐怖などあらゆる困難を克服して、きっと余剰次元を検出することができるようになるであろう。そのとき人類は初めて‘神’を見ることになるだろう。

もし、5次元世界が存在していて我々の4次元世界を包みこんでいるとすれば、我々が日常経験する不思議なことが何故起きるのか、説明がつくようになるであろう。「あの世」は我々の人生における行為や経験の蓄積の結果、5次元の世界に存在する‘ある何か’が遺伝子に作用して造られるものかもしれない。

もし知能や性格や気質などに関係する遺伝子が5次元に存在する‘ある何か’により作用を受けて、例えばDNAのメチル化などにより制御されて人の「あの世」を造るとすれば、仏教で説かれる因果応報は100%正しいことになる。

我々は余りにも真のことを知らなすぎる。「‘自分が知らない’ということ‘知る’」ということが最も大切である。科学的に証明されない事柄は、‘自分が知らない’事柄である。

0 件のコメント: