2010年12月7日火曜日

「民意」と「最大多数の最大幸福」(20101207)


  民主党政権成立時、考え方が違う社民党及び国民新党の2党と連立政権を組んだ。その結果、「最大多数の最大幸福」という考え方が何処かに押しやられたと老人は考える。国民新党は小泉改革が悪であったとして郵政民営化の見直しを迫った。社民党は先の日米合意を白紙に戻すことを迫り、結局政権から離脱した。今ねじれ国会と民主党政権への支持率大幅低下の状況下、菅政権は再び社民党との撚りを戻し、他の野党との連立も視野に入れ始めた。問題は菅政権が「最大多数の最大幸福」を目指そうとしているのか、少数の意見に同調してでも政権を維持しようとしているかと言うことである。

  政治家はよく「民意」を気にする。「民意」は世論調査に取り上げられて「世論」となるものである。その辺の巷の人々の意見だけでは「世論」にはならない。しかし「世論」は水面に浮かぶ水草のようなもので、風の吹きまわしで位置も形もかわってしまう。だから「世論」だけで政治をやってもらったのでは困る。結果的にこの国の民の「最大多数」の人々が「最大幸福」を実現することは難しい。この国の政治家はこの辺りの認識が甘い。

    この国の政治家たちは「民意」ばかりを気にし、国家として最も大事なこと、即ちこの国の領土・領海・領空・排他的経済水域をどう守り、他国からの侵略を絶対に防ぐということについて「輿論」(「世論)ではない!」を喚起しようとする志がない。

   それでも自民党時代にはこの国の「輿論」を作り上げようとする動きが少し見られた。しかしこれに真っ向から反対の姿勢を取り続けているのが社民党であり、共産党であり、公明党である。この国の最大多数の人々の最大の幸せは、我が国の領土・領海・領空・排他的経済水域がきちんと守られてこそ初めて実現するものである。しかしこれらの政党は、自分たちを支持する少数の人々が最も多く幸福を得ようすることを推進している。弱者への目線とか、市民の目線とか言って「浮草」のような大衆受けを狙っている。

   中国は我が国を標的にして「輿論」(「世論」ではない!)を作り上げて来ている。尖閣諸島での問題も、北朝鮮に対する煮え切らない姿勢も、また南沙諸島領有化の動きも、皆この「輿論」に基づいている。この「輿論」は中国共産党が発足以来、一貫して変わらぬ理念のもとに作り上げてきたものである。それに加担させられた馬鹿な日本人が多い。

   それをこの国のおめでたい識者や政治家やマスコミは、「(尖閣諸島問題は)中国の国内事情で起きた」と分かったようなことを言い、その方向で「世論」を誘導している。馬鹿ではなかろうか!先日NHKの日曜討論で、所謂在日米軍への「思いやり予算」のことで、評論家・内橋克人氏が司会者からたしなめられていた。「思いやり予算」などと言うから、この国の民は財政状況厳しき折そんなものは減らせと言うのである。所謂「思いやり予算」というのは「在日米軍駐留経費負担」のことである。我が国の防衛は在日米軍に頼っている。在日米軍の駐留経費について、我が国が応分の負担をするのは当然のことである。

   政治家がその所属する政党の足かせから離れて、この国の民の「最大多数」の人々の「最大幸福」を実現するため志を同じくする政治家同士連携し、中国に対峙して我が国の領土・領海・領空・排他的経済水域を防衛するため「輿論」を喚起するする行動に出るならば、この国の未来に希望はある。若い人たちよ、年寄りにこの国の未来を任せてはならぬ!

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